亡くなった父に「借金があるかもしれない」と兄から聞きました…。すでに父の預金を少し使ってしまったのですが、もう「相続放棄」はできないのでしょうか?

配信日: 2026.05.31
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亡くなった父に「借金があるかもしれない」と兄から聞きました…。すでに父の預金を少し使ってしまったのですが、もう「相続放棄」はできないのでしょうか?
父親が亡くなったあと、兄弟から「父に借金があるかもしれない」と聞き、「相続放棄したほうがよいのだろうか」と悩む人もいるかもしれません。
 
一方で、生活費の支払いなどのために、父親の預金を一部使ってしまい、「もう相続放棄できないのでは」と不安になるケースもあるでしょう。
 
本記事では、相続放棄の基本的な仕組みと、すでに預金を使ってしまった場合の考え方について整理します。
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相続では「単純承認」「相続放棄」「限定承認」のいずれかを選択できる

裁判所ウェブサイトによると、相続が開始した場合、相続人は、財産や借金をすべて引き継ぐ「単純承認」のほか、財産も借金も一切受け継がない「相続放棄」を選ぶことができます。
 
また、「借金がどの程度あるか分からないものの、財産が残る可能性もある」という場合には、相続によって得た財産の範囲内で債務を引き継ぐ「限定承認」という方法もあります。
 
なお、相続放棄や限定承認をする場合には、家庭裁判所への申述が必要です。
 
同じく裁判所ウェブサイトによると、相続放棄の申述期限は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内」とされています。
 
今回のケースで、もし相続放棄をする場合は、父親が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内に、被相続人(父親)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申述する必要があります。
 

相続財産を使うと「単純承認」とみなされる場合がある

注意したいのが、相続財産を処分した場合です。
 
民法第921条では、相続人が相続財産の全部または一部を処分した場合には、「単純承認をしたものとみなす」と定めています。これは、「法定単純承認」と呼ばれる考え方です。
 
例えば、亡くなった父親の預金を引き出して生活費に使った場合などには、「相続財産を受け継ぐ意思があった」と判断される可能性があります。
 
このように、相続財産を処分したり使用したりする行為があると、相続放棄が認められなくなるケースもあるため、手続きを検討している場合には慎重な対応が求められます。
 

判断が難しい場合は「期間伸長」の申立てもある

一方で、3ヶ月以内に財産や借金の状況を把握しきれないケースもあるでしょう。
 
裁判所によると、相続財産の調査をしても、承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合には、「相続の承認または放棄の期間伸長」を家庭裁判所へ申し立てることができます。
 
例えば、借金の有無が分からなかったり、通帳や契約書が見つからなかったりするほか、不動産や保証債務の状況確認に時間がかかるケースもあります。そのため、「3ヶ月では間に合わない」と感じる場合には、早めに専門家や家庭裁判所へ相談することも重要となるでしょう。
 

まとめ

相続では、「単純承認」「相続放棄」「限定承認」のいずれかを選択できますが、相続放棄や限定承認には原則として3ヶ月以内の申述が必要です。
 
また、相続財産を処分した場合、「単純承認した」とみなされる可能性があります。そのため、故人の預金を引き出して使った場合には、相続放棄に影響するケースもあるでしょう。
 
特に、借金の有無が分からない段階では、相続財産の取り扱いを慎重に考える必要があります。判断に迷う場合には、家庭裁判所への期間伸長申立てや、専門家への相談も含めて検討することが重要でしょう。
 

出典

裁判所 相続の放棄の申述
e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第五編 相続 第四章 相続の承認及び放棄 第二節 相続の承認 第一款 単純承認(法定単純承認)第九百二十一条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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