親の介護を一切しなかった長男が「跡取りだから」と実家と預金をすべて相続すると主張。仕事を辞めて介護を担った私でも、兄より多く遺産をもらう権利はないですか?

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親の介護を一切しなかった長男が「跡取りだから」と実家と預金をすべて相続すると主張。仕事を辞めて介護を担った私でも、兄より多く遺産をもらう権利はないですか?
親の介護を担った場合、遺産の分配にどのように反映されるのか、疑問に思う人もいるでしょう。特にほかの兄弟姉妹が介護にかかわっていなかった場合、公平に分けられるのか不安を感じる人もいるようです。
 
親族間での遺産トラブルを避けるためにも、法的なルールや自身の権利をあらかじめ把握しておくことが大切です。
 
今回は、相続の仕組みや、介護で財産維持に貢献した場合の遺産分割について詳しく解説します。
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「長男がすべて相続」という主張に法的な根拠はないと考えられる

現在の法律において、長男がすべての財産を単独で引き継ぐという主張に法的な根拠はないと考えられます。
 
戦前には、長男がすべての財産を相続する「家督相続(かとくそうぞく)」という制度があったとされていますが、日本国憲法の施行に伴い昭和22年5月3日に廃止されました。
 
これ以降は、個人の尊厳や法の下の平等が重んじられるようになり、すべての相続人に対して法律が定める一定の割合(法定相続分)が認められています。
 
そのため、長男だからという理由だけですべての遺産を独占できるとする主張は、法的な正当性を欠いていると判断される可能性が高いといえるでしょう。
 

介護などで被相続人の財産維持に貢献した場合は「寄与分」を請求できる可能性がある

介護を通じて被相続人の財産維持や増加に貢献した場合、遺産分割において「寄与分」を主張できる可能性があるようです。
 
寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に特別な貢献をした相続人が、遺産分割において通常の法定相続分よりも多くの財産を受け取れる制度です。
 
民法第904条の2では、「共同相続人の中に被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、その寄与分を控除したものを相続財産」とみなす旨が定められています。
 
高齢で身の回りの世話が必要な親などを無償で介護し、本来必要だった介護サービスの費用や施設への入所費用を抑えられたケースなどが該当すると考えられます。このような特別な貢献があったと認められれば、通常の法定相続分に上乗せした金額を受け取れるようです。
 
しかし、実際の話し合いでは、介護の苦労や貢献度をどのようにお金に換算するかという点で、親族間で意見が食い違う可能性があります。客観的な算出基準が法律で細かく定められていないため、お互いの感情が対立してしまい、トラブルに発展することもあるようです。
 

寄与分が認められる条件

寄与分が認められるには、おもに次の2つの要件を満たしている必要があるとされています。
 

・相続人である
・寄与分の請求に値する行為をしている

 
寄与分が認められるには、親族として通常期待される扶養や介護の範囲を超えて、無償かつ継続的に特別な貢献を長期間にわたって行っていることが条件となるようです。
 

介護に貢献した相続人には「寄与分」が認められる可能性がある

親の介護に尽力して財産の維持に貢献した場合は、遺産分割において寄与分を主張できる可能性があります。長男という理由だけですべての財産を引き継げる法的な根拠はないため、まずはご自身にどのような権利が認められる可能性があるのか確認しておくとよいでしょう。
 
ただし、寄与分が認められるためには法定相続人であることや、扶養義務の範囲を超える特別な貢献を行っていることなどの要件を満たしている必要があります。
 
実際の話し合いでは親族間で意見が食い違うことも珍しくないため、あらかじめ要件や主張の手順を整理しておくことが大切です。
 

出典

e-GOV 法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第五編 相続 第二節 相続分 第九百四条の二(寄与分)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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