祖母の遺産「5000万円」を遺言により母と私で相続。孫の私は“法定相続人”でないので相続税はかかりませんよね?

配信日: 2026.06.01
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祖母の遺産「5000万円」を遺言により母と私で相続。孫の私は“法定相続人”でないので相続税はかかりませんよね?
民法で決められている、遺産を相続できる権利がある人物を「法定相続人」といいます。しかし、祖父母が亡くなった際、遺言により祖父母の法定相続人である子どもだけでなく、孫にも遺産が遺されているケースがあります。
 
法定相続人以外の人が遺言で遺産を受け取った場合、相続税額の計算方法が少し異なる場合があるため、間違えないようにしましょう。今回は、法定相続人以外も相続税が課される理由や、相続税額の計算方法などについてご紹介します。
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法定相続人以外も相続税は課される

国税庁によると、相続や遺贈などで受け取った遺産の合計額が、遺産に対する基礎控除額を超えていた場合に、相続税の課税対象となります。
 
「相続」とは、法定相続人が遺産を引き継ぐことです。一方、「遺贈」とは民法第964条で「遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部または一部を処分することができる」と定められているように、亡くなった本人が特定の人を指定して遺産を渡すことです。
 
債務も含めて財産の割合を決めての遺贈を「包括遺贈」、土地や建物のように特定の遺産を指定した遺贈を「特定遺贈」といいます。
 
法定相続人でない孫が遺言で指定されて遺産を受け取る場合は遺贈となり、法定相続人でなくても、遺産の金額によっては相続税の申告と納税が必要です。
 

相続税額の計算方法

相続税の基本的な計算方法は次の通りです。
 

(1)相続時精算課税制度により受け取った財産を含めたすべての遺産を合計する
(2)(1)から葬式費用や債務、非課税財産を差し引く
(3)亡くなった本人から受け取っていた生前贈与のうち、相続税の計算対象となる分を加算する
(4)(3)から基礎控除額を差し引く
(5)(4)の金額を法定相続分通りにすべて受け取ったと仮定して、法定相続人別の相続税額を算出する
(6)(5)の金額を合計し、遺贈を受けた人も含めて実際に受け取った割合で税額を分配する
(7)(6)の金額から必要に応じて税額軽減や2割加算などを適用する

 
相続税の基礎控除額は「3000万円+法定相続人数×600万円」です。遺贈を受けた人は含みません。
 
また、相続税額の2割加算とは、亡くなった本人から見て一親等の血族(代襲相続人となった孫を含む)および配偶者以外の人が遺産を受け取った場合に、通常の計算で求めた相続税額に2割が加算される仕組みです。子どもが存命の場合は、孫は代襲相続人とはならないため、本人から見て二親等である孫も2割加算の対象です。
 

孫が遺産を受け取った場合の相続税額例

今回は、次の条件で孫が遺産を受け取った場合の税額を計算しましょう。
 

・遺産総額は5000万円
・相続税の課税対象となる相続時精算課税制度や生前の贈与はない
・法定相続人は子ども1人(孫の親)のみ
・遺贈の対象となるのは孫1人のみ
・遺言により子どもと孫で2500万円ずつ受け取る

 
法定相続人が1人のため、基礎控除額は3600万円です。遺産総額から基礎控除を差し引いた1400万円が課税対象となります。
 
まずは法定相続人のみで計算するため、1400万円を子ども1人で受け取ったとして相続税額を求めます。このとき、税率は15%、控除額は50万円のため、相続税額は160万円です。
 
次に、実際の遺産の分配割合で税額を分けるため、子どもと孫で80万円ずつになります。さらに、孫は2割加算の対象になるため、納付する相続税額は「80万円×120%」で96万円です。
 

遺産の金額によっては孫も相続税の納付が必要になる可能性がある

相続税の納付は、法定相続人だけでなく、遺贈で受け取った人も対象です。遺産総額が基礎控除を超えていれば、遺産総額に対して自分が受け取った割合に応じて計算した相続税額を支払うことになります。
 
また、亡くなった本人から見て一親等の血族や配偶者でない場合、相続税額の2割加算の対象となります。子どもが存命しており、孫が遺贈で遺産を受け取ると、同じ金額を相続した子どもよりも、孫の方が相続税額は多くなります。申告時に相続税額を誤らないよう、注意しましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4205 相続税の申告と納税
デジタル庁 e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第五編 相続 第七章 遺言 第一節 総則 第九百六十四条(包括遺贈及び特定遺贈)
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4157 相続税額の2割加算
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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