母の死後「仕送り360万円」を“タンス預金”として発見!「1円も使ってなかった」場合でも、遺産分割で“兄に半分取られる”ことに!? 自分の寄与分として「全額回収」できるでしょうか?

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母の死後「仕送り360万円」を“タンス預金”として発見!「1円も使ってなかった」場合でも、遺産分割で“兄に半分取られる”ことに!? 自分の寄与分として「全額回収」できるでしょうか?
毎月欠かさず仕送りを続けてきたのに、親が亡くなったとたんに「半分は兄のものだ」と言われれば、納得できないと感じるのは当然のことだといえるでしょう。
 
しかも、送り続けたお金が一切使われずタンス預金として残っていたとなれば、なおさら複雑な思いになるかもしれません。本記事では、仕送りがタンス預金になっていた場合の相続上の扱いや、寄与分・特別受益との関係について整理していきます。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

仕送りがタンス預金になっていると相続財産になる?

親が仕送りを一切使わずにタンス預金として残していた場合、現金は全て相続財産として遺産分割の対象になります。タンス預金は銀行口座の預貯金と法律上の扱いは同じで、相続開始時点に存在する現金は、少額であっても全て遺産分割の対象に含める必要があると覚えておきましょう。
 
現金だから税務署には把握できないと考えたくなる気持ちも分かりますが、実際には、15年間にわたって仕送りした計360万円が親の手元に残っていた場合、その現金は遺産として計上され、原則として、兄と法定相続分(この場合は半分ずつ)で分ける対象として扱われます。
 

親への生前の仕送りは「寄与分」になるのか?

寄与分とは、被相続人の財産の維持または増加に特別な貢献をした相続人が、通常の法定相続分よりも多く遺産を受け取れる制度です。
 
仕送りを寄与分として主張できるかどうかは、「通常の扶養義務を超える特別な貢献」と認められるかどうかにかかっています。民法上、子は親に対して扶養義務を負っており、義務の範囲内と判断された仕送りは寄与分として認められません。
 
仕送りが「親の生活費の援助」と見なされると扶養義務の履行にとどまり、15年間という継続性があっても寄与分として認められない場合があります。
 
一方、振込記録や通帳の写しに加え、親がそのお金を引き出してそのまま保管していたことが分かる記録など、仕送りの事実とタンス預金との因果関係を示せる証拠を提示できる状況であれば、扶養型の寄与分が認められる余地があるといえるでしょう。
 
ただし、寄与分が認められた場合でも、必ずしも仕送りした全額(360万円)がそのまま戻ってくるとは限らず、裁判所の判断や協議次第で一部の認定にとどまるケースも多い点には注意が必要です。
 

親への生前の仕送りは「特別受益」になるのか?

特別受益は「親から子へ」の生前贈与を遺産分割に反映させる制度であり、「子から親への」仕送りは特別受益にはあたりません。今回のケースではお金の送り手が子であるため、特別受益の問題は原則として生じません。
 
今回の問題の核心は「子から親への仕送りが寄与分として認められるか」という一点に絞られます。特別受益の制度はあなたの有利にも不利にも直接作用しないため、寄与分の主張を軸に遺産分割協議を進めるのが現実的な対応といえるでしょう。
 

まとめ

親がタンス預金として残した360万円は相続財産として遺産分割の対象になります。遺産として計上される点はひとまず受け入れたうえで、寄与分の主張を軸に戦略を立てる必要があります。
 
仕送りを寄与分として認めさせるには、扶養義務を超える特別な貢献であり、財産の維持・増加との因果関係を証明しなければなりません。振込記録など証拠を整えたうえで、遺産分割協議の場で主張するのが第一歩です。
 
特別受益の問題は今回のケースには直接関係しないため、寄与分の主張に集中するのが現実的な対応です。法律上の判断は個別の事情によって結論が変わりますので、弁護士や司法書士などの専門家への相談を早めに検討してください。
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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