子ども名義の通帳に、18年間で「500万円」を貯めてきました。成人を機に渡したいのですが、“本人名義の口座”なら年間「110万円」の非課税枠は意識しなくてもいいですよね?
しかし、「口座名義が子どもだから税金はかからない」とは限りません。税務上は、口座の名義だけでなく、実際に誰が管理していたのかも重要な判断材料になります。
そこで今回は、子ども名義の口座に18年間で500万円を貯めた場合を例に、年間110万円の非課税枠との関係や、「名義預金」と判断されるリスクについて分かりやすく解説します。
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子ども名義の口座でも贈与税がかかる場合はある?
「子ども本人名義の口座だから、年間110万円の贈与税の基礎控除は気にしなくてよい」と考える人もいるかもしれませんが、必ずしもそうとはいえません。
贈与税では、1年間に受けた贈与額が110万円を超えると課税対象になるのが原則です。たとえ子ども名義の口座に預金していた場合でも、親が管理していた「名義預金」と判断されれば、その資金を後から子ども本人に渡した際に贈与とみなされる可能性があります。
そのため、単純に「口座名義が子ども本人だから非課税」と考えるのは避けた方がよいでしょう。
後から500万円を渡すときに注意したい「名義預金」の問題
名義預金とは、口座の名義人と実際にお金を管理している人が異なる預金のことをいいます。例えば、子ども名義の口座であっても、親が資金を出し、通帳や印鑑を管理している場合などが該当するとされています。
今回のケースのように、親が子どもの名前で口座を作り、18年間ずっと親が管理していた場合、税務上は親の財産と判断されることがあります。その状態で成人後に通帳を渡すと、「この時点で500万円を贈与した」と解釈される可能性があります。
もし500万円を一度に贈与したと判断されれば、110万円を超える部分について贈与税の課税対象になる可能性があります。もちろん実際の課税判断は個別事情によって異なりますが、「本人名義だから問題ない」と断定できない点には注意が必要でしょう。
また、親が亡くなった際の相続税調査で名義預金が判明すると、親の相続財産として扱われるケースもあります。そのため、将来のトラブルを防ぐためにも、早めに整理しておくことが大切です。
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ポイントは「誰名義の口座なのか」ではなく「誰が管理していたのか」
税務署が重視するのは、通帳の名義よりも実質的な管理状況とされています。
例えば、口座名義は子どもであっても、通帳や印鑑、キャッシュカードを親が管理し、子ども自身は口座の存在すら知らなかった場合があります。このようなケースでは、実際の所有者は親であると判断される可能性があります。
一方で、子ども本人が口座の存在を認識し、一定の年齢以降は本人が管理していたのであれば、子どもの財産として認められやすくなります。つまり、税務上は「誰の名義か」だけでなく、「誰が自由に使える状態だったのか」が重要なのです。
名義預金と判断されるリスクを減らすためには、子ども本人が口座の存在を認識し、実際に管理している状態を整えておくことが重要です。例えば、一定の年齢になった段階で通帳やキャッシュカード、印鑑を本人に引き渡し、入出金の管理も本人が行うようにしておく方法が考えられます。
また、贈与として資金を渡す場合は、贈与の事実が分かるように記録を残しておくことも有効でしょう。
将来の相続トラブルや税務上の指摘を避けるためにも、単に子ども名義の口座へ入金するだけでなく、実際の管理状況にも注意しておくことが大切といえます。
子ども名義の口座に貯めたお金を渡す前に確認したいこと
成人した子どもへ通帳を渡す前には、まずその口座がどのように管理されてきたのかを確認しましょう。子どもが以前から口座の存在を知っていたのか、通帳やキャッシュカードを誰が保管していたのか、入金の目的は何だったのかなどを整理しておくことが大切です。
状況によっては、税理士などの専門家へ相談した方が安心な場合もあります。特に500万円のような比較的大きな金額になると、後から税務上の問題が発生した際の影響も小さくありません。
子どもの将来のために積み立てたお金だからこそ、「本人名義だから大丈夫」と自己判断せず、名義預金に該当しないかを確認しておくことが重要です。適切な管理や手続きを行えば、将来の贈与や相続に関する不安を減らし、安心して子どもへ資産を引き継ぐことができるでしょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
