独身で、マンション暮らしをしています。自分が亡くなったあとの手続き、誰に頼めばいいですか?

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独身で、マンション暮らしをしています。自分が亡くなったあとの手続き、誰に頼めばいいですか?
「独身だから、自分が死んだあとのことは誰も動いてくれないかもしれない」——そんな不安を感じたことはありませんか? 実は、何も準備しないまま亡くなると、手続きは疎遠な親族や兄弟に委ねられます。
 
「家や財産を誰に渡すか」だけでなく、「誰に動いてもらうか」を決めておくことが、おひとりさまの備えで一番リアルな悩みです。何をどう準備すればいいか、FPがわかりやすく解説します。
稲場晃美

お金と不動産相続のコンシェルジュ
宅地建物取引士・AFP・住宅ローンアドバイザー・相続診断士

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何もしなかったらどうなるのか

独身・都内にマンション所有・きょうだいあり。遺言書も何も準備しないまま亡くなると、きょうだいなどの親族が法定相続人として手続きをすべて担うことになります。死亡届の提出・葬儀の手配・マンションの相続登記・銀行口座の解約・各種サービスの解約・遺品整理……やることは想像以上に多く、親族側にとっても大きな負担です。
 
さらに「どんな葬儀にしてほしいか」「どこのお墓に入りたいか」を伝えていないと、残された兄弟が判断を迫られます。「とりあえず実家の墓に」となりがちですが、それが本人の希望と違うことも少なくありません。「迷惑をかけたくない」と思っているなら、何もしないことが一番の迷惑になりうる——それが現実です。
 

知っておきたい3つのポイント

死後の手続きを誰に頼むかを考えるうえで、押さえておきたいポイントが3つあります。
 
1つ目は、死亡届は誰でも出せるわけではないということです。戸籍法により、届出できるのは親族・同居者・任意後見人などに限られています。頼れる親族がいない場合は、生前に死後事務受任者を決めておくことが有効です。
 
2つ目は、遺言執行者の指定です。遺言書の内容を実際に実行してくれる人のことで、公正証書遺言を作成する際に指定しておきます。銀行口座の解約やマンションの名義変更など、財産に関する手続きを担います。
 
3つ目は、死後事務委任契約です。実は遺言書で指定できるのは財産のことだけで、葬儀や遺品整理の希望は法的な効力がありません。だからこそ、実務全般を生前に委任しておく「死後事務委任契約」が必要になります。
 
法的には誰でもなれますが、司法書士や行政書士などの専門家に依頼するのが現実的です。民間の終活サービスも増えていますが、業者の質にばらつきがあるため慎重に選ぶ必要があります。
 
この3つをまとめてコーディネートしてくれる信頼できる相談窓口を、元気なうちに見つけておくことが何より大切です。
 

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まず今日からできること

最初の一歩として、エンディングノートへの記入をおすすめします。預貯金・マンションの評価額・生命保険などの資産情報はもちろん、ネット銀行や証券口座の情報も忘れずに記載してください。
 
通帳のないネット銀行などは本人しか存在を知らないケースが多く、気づかれないまま休眠口座になることも少なくありません。サブスクリプションなどのデジタル契約も合わせて整理しておくと安心です。
 
また、終末期の医療についての希望も書き留めておきましょう。延命治療を望むかどうか、がんの告知を希望するかどうか——いざというときに本人の意思を伝えられる人がいないと、医療現場での判断が難しくなります。独身の方は特に、事前に意思を書き残しておくことが大切です。
 
加えて、葬儀の希望やお墓についても書き留めておきましょう。樹木葬・納骨堂・合葬墓など選択肢は増えています。「どこに入りたいか」を伝えておくだけで、残された人の判断の負担が大きく変わります。
 
せっかく書いたノートも死後に見つけてもらえなければ意味がありません。信頼できる人に保管場所を伝えておくことも忘れないでください。
 
きょうだいなどの親族と良好な関係が築けているなら、それが一番の備えです。そうでない場合は、専門家への依頼を検討してください。備えにはお金がかかりますが、元気なうちに動くことが、残された人への一番の配慮になります。「いざというとき、誰かに迷惑をかけたくない」——その気持ちこそが、あなたの人生を丁寧に生きてきた証です。
 

出典

日本公証人連合会 公正証書遺言 
裁判所 遺言執行者の選任
 
執筆者 : 稲場晃美
お金と不動産相続のコンシェルジュ
宅地建物取引士・AFP・住宅ローンアドバイザー・相続診断士

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