祖母から紙袋に入った「1000万円」を渡され、そのまま住宅メーカーに“現金払い。 バレないかと思ったのですが、後から多額の税金を請求されることもあるのでしょうか?
しかし、現金で受け取ったとしても、贈与は贈与です。祖母から1000万円をもらえば、原則として贈与税の対象になります。住宅取得資金の贈与には非課税制度がありますが、一定の要件を満たし、期限内に申告する必要があります。黙って使ってしまうと、後から贈与税、加算税、延滞税が発生する可能性があります。
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現金手渡しでも贈与税の対象になる
贈与税は、個人から財産をもらった人にかかる税金です。銀行振込でも現金手渡しでも、もらった事実があれば贈与です。紙袋で受け取ったから税金がかからない、ということはありません。
贈与税には年間110万円の基礎控除があります。1年間にもらった財産の合計が110万円を超えると、超えた部分が課税対象になります。祖母から1000万円をもらった場合、ほかに贈与がなければ、1000万円から110万円を引いた890万円が課税対象になります。
890万円にかかる贈与税は「890万円×30%-90万円」の計算により、177万円となります。この場合は18歳以上の子や孫が父母または祖父母から贈与されたので、「特例贈与財産用」の計算式に当てはめます。そして、「基礎控除後の課税価格」にはそれぞれ税率が決まっています。(図1)
図1
出典:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
今回の「基礎控除後の課税価格」は890万円なので、税率は30%です。最後に「控除額」である90万円を引きます。祖母からもらった1000万円にかかる贈与税は177万円であると分かります。(他の贈与がないと仮定したとき)
贈与税は金額が高ければ高いほど、税率が高くなりやすい税金です。何も申告せずにいると、後から本税だけでなく、無申告加算税や延滞税がかかる可能性があります。税務署に指摘されてから対応すると、負担が大きくなりやすいです。
「現金だからバレない」と考えるのは危険です。住宅購入では、登記、住宅ローン、資金の出どころ、住宅メーカーへの支払い記録などが残ります。収入や貯金に見合わない購入をしていれば、資金の由来を確認される可能性があります。
住宅取得等資金の贈与なら非課税制度を使える場合がある
祖母からもらった1000万円を住宅購入に使う場合、住宅取得等資金の贈与税非課税制度を使える可能性があります。
国税庁によると、令和6年1月1日から令和8年12月31日までに父母や祖父母など直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合、一定要件を満たせば、省エネ等住宅は1000万円まで、それ以外の住宅は500万円まで非課税になります。
祖母は直系尊属に当たるため、制度の対象になり得ます。ただし、受け取る人の年齢や所得、住宅の床面積、入居期限、住宅の種類など、細かい要件があります。さらに、非課税になる場合でも、原則として贈与税の申告が必要です。
つまり、住宅購入に使ったから自動的に非課税になるわけではありません。期限内に必要書類を添えて申告しなければ、特例を使えない可能性があります。
すでに受け取って支払ってしまった場合でも、申告期限前なら対応できる可能性があります。まず、贈与を受けた日、支払った日、住宅の契約書、領収書、登記事項、住宅性能に関する書類を整理し、税理士や税務署に相談しましょう。
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後から見つかると税負担が重くなる可能性がある
税務署は、住宅購入の資金の出どころを確認することがあります。若い人が多額の現金で住宅代金を支払った場合、自己資金なのか、借入なのか、贈与なのかを尋ねられる可能性があります。
そのときに、祖母から1000万円をもらっていたことが分かれば、贈与税の申告漏れとして扱われることがあります。申告していなければ、贈与税に加えて無申告加算税や延滞税がかかることがあります。悪質と判断されれば、さらに重い扱いになる可能性もあります。
また、祖母が亡くなったときの相続でも問題になることがあります。生前に1000万円を渡していた事実が分かると、相続人同士で「特別扱いだ」とトラブルになることがあります。現金手渡しは記録があいまいになりやすいため、家族間の争いにもつながります。
税金面でも家族関係でも、隠すより記録を残して正しく申告するほうが安全です。贈与契約書を作る、通帳に記録を残す、申告書を提出するなど、後から説明できる形にしておきましょう。
まとめ
祖母から紙袋で1000万円を受け取り、住宅メーカーに現金払いした場合でも、贈与税の対象になる可能性があります。現金手渡しだから税務署に分からない、という考え方は危険です。
住宅取得等資金の贈与税非課税制度を使えれば、省エネ等住宅なら1000万円まで、それ以外の住宅なら500万円まで非課税になる場合があります。ただし、要件を満たし、期限内に申告する必要があります。
黙っていると、後から贈与税にくわえ、加算税、延滞税を請求される可能性があります。すでに受け取って支払った場合でも、早めに税務署や税理士に相談しましょう。大きなお金ほど、記録を残し、正しい手続きをすることが自分と家族を守ることにつながります。
出典
国税庁 財産をもらったとき
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

