60代独身で親への仕送りも必要なく、気づけば貯金が「3000万円」に。友人から「相続人がいないと国のものになるよ」と言われましたが、本当なのでしょうか?
実際には、相続人がいない場合でも、すぐに国へ渡るわけではありません。法律で定められた手続きを経たうえで、それでも引き継ぐ人がいないときに初めて国庫へ帰属します。
本記事では、その流れや、生前にできる対策について分かりやすく解説します。
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相続人がいなくても財産がすぐ国庫に入るわけではない
結論からいうと、「相続人がいないと財産は国のものになる」という話は、一部は正しいものの、正確ではありません。
亡くなった人に法定相続人がいない場合でも、直ちに預貯金が国庫へ移ることはありません。まずは家庭裁判所で「相続財産清算人」が選任され、亡くなった人の財産の管理や債務の清算、相続人の捜索などの手続が進みます。相続財産清算人とは、相続人がいない場合に、家庭裁判所が選任して相続財産を管理・清算する人です。
また、法律上の相続人がいなくても、長年介護をしていた人や生活を支えていた人などが「特別縁故者」と認められれば、家庭裁判所の判断によって財産の一部または全部を受け取れる可能性があります。すべてのケースで認められるわけではありませんが、この制度があるため、「相続人がいない=すぐ国のもの」というわけではないのです。
相続人がいない場合に財産が国庫へ帰属するまでの流れ
法定相続人がおらず、遺言書もない場合は、一定の手続きを経て財産の行き先が決まります。
まず、家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、財産の調査と清算が行われます。その過程で、相続人を探す公告や、借金・未払い税金などの債務を支払う手続きが進みます。
それでも相続人が見つからず、さらに特別縁故者への財産分与の申立てがない、または申立てが認められなかった場合には、最終的に残った相続財産が国庫へ帰属します。つまり、国が財産を受け取るのは、こうしたさまざまな手続きを終えた「最後」の段階です。
なお、この一連の手続きは短期間で終わるとは限らず、結果として1年以上かかるケースもあります。そのため、財産の行き先を自分の希望どおりにしたい場合は、生前に準備を進めることが重要です。
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財産を希望する相手へ残したいなら生前の準備が大切
独身で相続人がいない人でも、財産を友人やお世話になった人、あるいは寄付したい団体へ残す方法があります。
代表的なのが遺言書の作成です。遺言書があれば、法律上の相続人ではない人や公益法人などへ財産を渡す意思を示すことができます。ただし、内容に不備があると希望どおりに実現できない可能性もあるため、公証役場で作成する「公正証書遺言」を選ぶ方法もあります。
例えば、長年親しく付き合ってきた友人や、日頃から支えてくれた親族以外の人へ感謝の気持ちとして財産を残したい場合でも、遺言書があれば実現できる可能性があります。
また、高齢になると判断能力が低下することもあります。そのため、遺言書だけでなく、財産管理や医療・介護に関する制度についても、早めに専門家へ相談しておくと安心でしょう。60代はまだ元気だからと先延ばしにせず、判断力が十分あるうちに準備を始めることで、選択肢を広く持つことができます。
まとめ|相続人がいない人ほど早めに相続対策を考えよう
相続人がいない場合でも、財産がすぐに国のものになるわけではありません。家庭裁判所による手続きや、特別縁故者への財産分与などを経て、それでも引き継ぐ人がいない場合に初めて国庫へ帰属します。
一方で、遺言書がなければ、自分が大切にしてきた財産を希望する相手へ残せない可能性があります。3000万円というまとまった資産があるなら、なおさら早めの準備が重要でしょう。
将来の不安を減らし、自分の意思をきちんと反映させるためにも、一度相続について整理し、必要に応じて弁護士や司法書士、税理士などの専門家へ相談してみることをおすすめします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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