“墓じまい”の検討中、息子は「俺が面倒見るよ」と言いますが…「墓参り年4回・お寺との付き合い・維持費年3万円」を“独身の息子”に任せるのは不安です。やはり自分の代で墓じまいすべきでしょうか?
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
目次
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お墓の維持には「年間3万円」以外の負担もある
お墓を維持する際にまず分かりやすい負担が、霊園や寺院に支払う管理費です。
今回のケースでは年間3万円ですので、単純計算で10年なら30万円、20年なら60万円かかります。また、実際の負担は管理費だけではありません。年4回墓参りをするとして、その都度の交通費や供花代、線香代、ほかに掃除道具の購入費なども必要になります。遠方に住んでいる場合は、移動時間や交通費の負担がさらに大きくなるでしょう。
また、お墓は「行けるときに行けばよい」というものではなく、草むしりや墓石の掃除、法要の段取り、寺院との連絡など、細かな対応が発生します。親世代が元気なうちは一緒に対応できますが、将来的に子ども一人がすべてを担うことになれば、心理的な負担も無視できません。
子どもの「面倒を見る」という言葉が、管理費の支払いだけを意味しているのか、墓参りや親族対応まで含んでいるのかは、早めに確認しておく必要があります。
独身の子どもに任せる場合は「その先」も考える
子どもが独身であること自体は、問題ではありません。しかし、お墓の承継を考える上では、次の世代に引き継ぐ人がいるかどうかは重要な問題です。
例えば、子どもが今後も一人で暮らすのであれば、将来的に高齢になったとき、お墓の管理を続けることが難しくなる可能性があります。体力的に墓参りが負担になるだけでなく、病気や転居、仕事の都合で通えなくなることもあるでしょう。
また、管理を任せた子どもに、きょうだいや配偶者、子どもがいない場合、将来的には管理する人がいなくなる可能性があります。
その結果、管理費の支払いが滞る、墓参りをする人がいなくなるなどで、いずれ無縁墓に近い状態になることも考えられます。お墓をどうするかの話題が出たら、親子で10年後、20年後、さらにその先まで見据えて話し合うことが大切です。
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墓じまいは親が元気なうちに進めるほうが選択肢は多い
墓じまいをする場合、現在のお墓から遺骨を取り出し、永代供養墓や納骨堂、樹木葬などへ移すケースが一般的です。遺骨を別の場所へ移す「改葬」を行う際には、市区町村長の許可が必要です。これは「墓地、埋葬等に関する法律」で定められています。
墓じまいには、石材店への依頼、寺院や霊園との相談、改葬先の選定、親族への説明など、複数の手続きが発生します。親が元気なうちであれば、自分の希望を伝えながら進められますし、費用負担についても家族で分担方法を検討しやすいでしょう。
しかし、判断を先送りにしたまま親が高齢になったり亡くなったりすると、残された子どもが短期間で手続きや親族対応をしなければならない場合があります。
大切なのは、今すぐ墓じまいをするかどうかだけではなく、「しない場合の条件」を決めておくことです。例えば、管理費は誰が払うのか、墓参りは年何回を目安にするのか、子どもが管理できなくなったらどうするのか、将来の改葬費用は誰が負担するのかといった点を明確にしておくとよいでしょう。
お墓の管理や墓じまいは、負担を見える化して判断しよう
お墓の管理を子どもに依頼する場合、毎年の管理費に加え、墓参りや掃除、法要、将来の承継問題までも考える必要があります。墓じまいを急ぐ必要はありませんが、親が元気なうちに費用・手間・将来の対応を家族で具体的に話し合っておくことが大切です。
執筆者 : 小川ひろ
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

