妻がへそくりで貯めた「300万円」を子どもの“新NISA口座”に入れてしまったのですが、専業主婦の突然の入金は贈与税の対象になるのでしょうか…?
特に、子ども名義の口座で子どもが運用するなら、「誰のお金を、誰に渡したのか」を整理することが大切です。
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新NISAは利益が非課税になる制度で、贈与税が免除される制度ではない
新NISAは、株式や投資信託などの運用で得た利益が非課税になる制度です。通常、投資で利益が出ると約20%の税金がかかりますが、NISA口座で得た売却益や配当などは非課税になります。
ただし、NISA口座へ入れるお金の出どころまで非課税になるわけではありません。親が子どもの口座に300万円を入れた場合、その時点で「親から子どもへの贈与」と見られることがあります。
贈与税には、1年間で110万円までの基礎控除があります。つまり、子どもが1月1日から12月31日までの間にもらった財産の合計が110万円以下なら、原則として贈与税はかかりません。反対に、300万円を一度に渡した場合は、110万円を超える190万円部分が課税対象になります。
たとえば、ほかに贈与がなければ、300万円から110万円を引いた190万円に対して贈与税を計算します。税額は条件によって変わりますが、300万円規模の贈与なら申告が必要になります。
専業主婦のへそくりでも「妻のお金」とは限らない
今回のように、妻が専業主婦である場合は、へそくりの持ち主を確認する必要があります。妻が結婚前から持っていた貯金、親から相続したお金、過去に自分で働いて得た収入であれば、妻自身の財産と考えやすいでしょう。
一方で、夫の収入から生活費を受け取り、その残りを妻名義で貯めていた場合は注意が必要です。生活費として渡されたお金を毎月少しずつ残しただけでは、税務上は夫の財産と見られることがあります。
この場合、実質的には「夫のお金を妻が管理していて、それを子どもに移した」と判断される可能性があります。誰から子どもへ贈与したのかがあいまいになるため、あとで説明に困ることがあります。
税務署は、名義だけでなく実際の資金の流れを見ます。妻名義の口座から入金したとしても、その原資が夫の収入なら、必ず妻のお金になるわけではありません。通帳の履歴、過去の収入、相続や贈与の記録などを確認しておくと安心です。
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子どもが未成年なら新NISA口座そのものにも注意が必要
新NISAは、現在の制度では利用する年の1月1日時点で18歳以上の人が対象です。そのため、子どもが未成年であれば、通常の新NISA口座を開設することはできません。
なお、2027年1月以降は、0歳から17歳向けにつみたて投資枠を広げる方向が示されています。金融庁によれば、年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円とされています。ただし、現時点で子どもの年齢や制度開始時期を確認せずに資金を動かすのは避けたほうがよいでしょう。
子どもが18歳以上で、本人名義のNISA口座に入金した場合は、そのお金は子どもの財産になります。親が「一時的に入れただけ」「あとで返してもらうつもりだった」と考えていても、実際に子どもが自由に使える状態なら贈与と見られやすくなります。
すでに300万円を入れてしまった場合は、まず入金日、入金元、子どもがほかに受けた贈与の有無を確認しましょう。贈与税の申告が必要な場合、原則として翌年2月1日から3月15日までに子どもが申告します。
まとめ
妻のへそくり300万円を子どもの新NISA口座に入れた場合、子どもへの贈与と見られれば贈与税の対象になる可能性があります。NISAは運用益を非課税にする制度であり、親から子どもへの資金移動を無税にする制度ではありません。
また、専業主婦のへそくりは、すべて妻の財産と判断できるとは限りません。夫の収入が原資なら、実質的な持ち主を確認する必要があります。
今後は、子どもへ資金を渡す前に、年間110万円の範囲、資金の出どころ、口座名義を整理しましょう。すでに入金した場合も、あわてて隠すのではなく、必要に応じて税理士や税務署に相談すれば、正しい手続きで対応できます。
出典
金融庁 NISAを知る:NISA特設ウェブサイト
金融庁 令和8(2026)年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

