「親の介護」は独身の私に丸投げなのに、親の死後“3000万円の遺産”は「兄弟3人で平等に分ける」って“不平等”ではないでしょうか? 介護の苦労分を「多くもらう(寄与分)」ことはできないのでしょうか?

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「親の介護」は独身の私に丸投げなのに、親の死後“3000万円の遺産”は「兄弟3人で平等に分ける」って“不平等”ではないでしょうか? 介護の苦労分を「多くもらう(寄与分)」ことはできないのでしょうか?
親の介護を兄弟の中で自分だけが担っていると、「この負担を遺産で考慮してほしい」と思うのは自然です。
 
ただし、親の面倒を見ているからといって、法律上、自動的に遺産を全額もらえるわけではありません。将来の相続で争わないためには、介護の負担を記録し、親や兄弟と早めに話し合うことが大切です。
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子ども3人なら法定相続分は原則として平等

親が亡くなったとき、子どもが3人いる場合、遺言がなければ原則として子ども3人が平等に相続します。つまり、法定相続分はそれぞれ3分の1です。
 
民法877条では、親の世話は扶養義務であるとされています。独身で実家にいる、親と同居している、介護をしているといった事情があっても、それだけで自動的に相続分が増えるわけではありません。法律は、まず子どもを平等に扱います。
 
そのため、相続の場で突然「私が介護したのだから遺産は全額もらう」と言っても、兄弟が納得しなければ実現は難しいでしょう。相手から見れば、「介護してくれたことは感謝しているが、全額は納得できない」と感じる可能性があります。
 
ただし、介護の負担をまったく考慮できないわけではありません。法律には、相続人が被相続人の財産の維持や増加に特別に貢献した場合に、寄与分として相続分に反映する制度があります(民法904条の2)。
 

通常の手伝いを超える介護なら寄与分が認められる可能性がある

寄与分とは、相続人が親の財産を守るために特別な貢献をした場合、その分を相続で考慮する仕組みです。介護の場合、単に同居して身の回りの手伝いをしただけでは、親族として通常の扶養の範囲と見られることがあります。
 
一方で、長期間にわたり無償で重い介護を行い、その結果、親が高額な介護施設費やヘルパー費用を支払わずに済んだような場合は、寄与分が問題になることがあります。法務省の資料でも、長期の介護が扶養義務の範囲を超え、相続財産の維持に貢献したと評価された裁判例が紹介されています。
 
ただし、寄与分が認められても、遺産を全額もらえるとは限りません。実際には、介護の内容、期間、親の状態、ほかの兄弟の支援、遺産の額などをもとに判断されます。
 
大切なのは記録です。介護日誌、通院付き添いの記録、介護サービスの利用状況、兄弟との連絡、仕事を減らした事実、立て替えた費用の領収書などを残しておきましょう。記録がないと、相続時に介護の重さを説明しにくくなります。
 

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全額を望むなら遺言や生前の取り決めが必要

本気で「親の面倒を見る代わりに遺産を多く受け取りたい」と考えるなら、相続が起きてから主張するのでは遅いことがあります。親が判断能力を保っているうちに、遺言を書いてもらう、介護費用を生前に支払ってもらう、兄弟で負担を分担するなどの方法を考えましょう。
 
たとえば、親が「実家を介護してくれた子に残したい」と考えているなら、公正証書遺言を作成しておくと安心です。
 
ただし、兄弟にも遺留分があります。遺留分とは、一定の相続人に最低限保障される取り分です。子どもがいる場合、遺言で一人に全財産を渡す内容にしても、ほかの兄弟から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
 
また、介護をする子だけに負担が集中しているなら、兄弟から毎月一定額を出してもらう、ショートステイを使って休む、親の預金から介護費を支払うなど、相続前に負担をならす方法もあります。
 
「遺産で清算すればいい」と思っていると、親の死後に感情的な争いになりやすいです。今のうちに話し合うことが、自分を守ることにもなります。
 

まとめ

親の介護を一人で担っている人が、「遺産で考慮してほしい」と思うのは自然な気持ちです。介護は時間、体力、仕事、生活に大きな影響を与える負担だからです。
 
ただし、介護をしているからといって、自動的に遺産を全額もらえるわけではありません。子ども3人なら、遺言がない場合の法定相続分は原則として3分の1ずつです。特別な介護があれば寄与分を主張できる可能性はありますが、記録と説明が必要です。
 
将来の争いを避けるには、親が元気なうちに遺言や介護費用の負担について話し合いましょう。兄弟にも介護の実情を伝え、金銭やサービス利用で負担を分けることが、自分の生活を守る現実的な方法です。
 

出典

e-Gov 法令検索 民法
法務省 民法(相続関係)部会 参考資料 寄与分に関する裁判例
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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