義父の遺産「1500万円」を相続した夫が、「家族3人で分けよう」と言っています。すでに相続税は払っているので、私と子どもはそのまま受け取っても問題ないですよね?

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
義父の遺産「1500万円」を相続した夫が、「家族3人で分けよう」と言っています。すでに相続税は払っているので、私と子どもはそのまま受け取っても問題ないですよね?
義父から相続した1500万円について、夫から「家族3人で500万円ずつ分けよう」と言われたら、「相続税はもう支払っているから、そのまま受け取っても問題ない」と考える人もいるかもしれません。
 
しかし、相続税を納めた後であっても、相続した財産を夫から妻や子どもへ渡す場合は、税法上「贈与」と判断されることがあります。その結果、受け取る金額によっては贈与税がかかる可能性があります。
 
本記事では、相続後に家族へお金を分ける場合の税金の考え方や、贈与税がかかるケース、注意したいポイントについて分かりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

相続税を支払った後でも、夫から妻や子どもへ財産を渡すと贈与税の対象になることがある

相続税と贈与税は、どちらも財産を受け取ったときに関係する税金ですが、対象となるシチュエーションが異なります。
 
相続税は、亡くなった人から財産を相続や遺贈によって取得したときに課税されます。一方、贈与税は、生存している個人から財産を受け取った場合に課税される税金です。つまり、一度相続税を支払った財産であっても、その後に相続人が別の人へ渡せば、そのやり取りは新たな贈与として扱われます。
 
今回のケースでは、義父から1500万円を相続したのは夫です。その後、夫が妻や子どもへ500万円ずつ渡すのであれば、妻と子どもは夫から財産を受け取ることになります。そのため、新たに「贈与」に該当する可能性があります。相続税をすでに支払っていることだけを理由に、贈与税まで免除されるわけではありません。
 

年間110万円までなら贈与税は原則かからないが、受け取り方には注意が必要

贈与税には、暦年課税という仕組みがあります。この制度では、1月1日から12月31日までの1年間に1人が受け取った贈与額の合計が110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。
 
今回の例では、妻が500万円、子どもが500万円を受け取ると、それぞれ年間110万円を大きく超えるため、贈与税の課税対象になる可能性があります。
 
例えば、夫が「相続税は払ったから大丈夫」と考えていても、税法上は別の話です。受け取る側は贈与税の申告や納税が必要になる場合があります。
 
また、「毎年110万円ずつ渡せば問題ない」と考える人もいるかもしれませんが、最初から「毎年一定額を渡す約束」がある場合は、税務上、一括で贈与する契約と判断されるケースもあります。贈与の方法によって課税関係が変わることもあるため、多額の資金を計画的に移す場合は慎重に進めることが大切です。
 

家族で遺産を分けたいときは、税金の仕組みを確認してから進めよう

「家族だから自由にお金を分けられる」と考えてしまいがちですが、税金のルールは家族間でも変わりません。
 
もし夫が「家族みんなで公平に分けたい」と考えているのであれば、その方法が贈与税の対象になるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。
 
なお、遺産分割協議の段階で相続人全員が話し合い、相続人同士で取得割合を決める場合は、その内容に応じて相続税が計算されるため、通常は相続人同士の贈与とはなりません。しかし、今回のように相続手続きが終わり、夫個人の財産となった後で妻や子どもへ渡す場合は、贈与として扱われる可能性があります。
 
後で「税金がかかるとは知らなかった」とならないよう、判断に迷う場合は税理士や税務署へ相談するよいでしょう。
 

まとめ|相続後に家族へお金を渡す場合は「相続」と「贈与」の違いを理解することが大切

義父から相続した1500万円を夫が妻や子どもへ分ける場合、すでに相続税を納めていたとしても、そのお金を受け取る妻や子どもに贈与税が関係する可能性があります。
 
相続税と贈与税は別の制度であり、「相続税を払ったから、家族への分配も非課税」とは限りません。
 
家族で公平に財産を分けたいという気持ちは自然なものですが、多額のお金を動かすときは税金の仕組みも踏まえて検討することが大切です。事前に制度を理解し、必要に応じて専門家へ相談すれば、後から思わぬ税負担が発生するリスクを抑えながら、安心して財産を引き継ぐことができるでしょう。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和8年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

LINE