父が“税金対策”として、お盆に「タンス預金300万円」を子どもに配ると言っています。「銀行を通さないから税務署にバレない」そうですが、本当に大丈夫でしょうか? あとでバレないか心配です…
しかし、父親が「タンス預金300万円を子どもたちに配れば税金対策になる」と言い出したら、「そもそもタンス預金って大丈夫なの?」「なにがどう税金対策なの?」などと心配になる人もいるのではないでしょうか。
本記事では、タンス預金と税金の関係や、贈与する際の注意点について解説します。
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
目次
タンス預金とは?
タンス預金とは、自宅の金庫やタンスなどで保管されている現金のことを指します。「タンス預金は良くない」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、自分のお金を自宅で保管しているだけであれば、違法ではありません。
給与としてもらい、所得税などの税金を納めた後のお金などであれば、タンス預金そのものに税金がかかることはないということです。
タンス預金300万円を子どもに配ると税金対策になる?
父親が生前に子どもへ財産を渡せば、将来の相続財産が減るため、相続税対策になる場合があります。
例えば、300万円を子どもへ生前贈与すれば、その分だけ相続時の財産を減らせる可能性があります。(ただし、相続開始前の一定期間内に行われた贈与は、相続税の計算上、相続財産に加算されるケースがあります)
しかし、相続税対策になっても、贈与税には注意が必要です。現金でも預金でも、お金を無償で渡せば贈与となり、一定額を超えれば贈与税の対象になります。つまり、相続税を減らそうとしても、今度は贈与税が発生する可能性があるのです。
いくらまでなら贈与税はかからない?
贈与税は受け取った人が贈与された金額に応じて支払う税金ですが、年間110万円の基礎控除があります。そのため、1年間に1人あたり110万円以下の贈与であれば、原則として贈与税はかかりません。
例えば、子どもが3人いる場合、それぞれへ100万円ずつ贈与すれば、基本的には贈与税は発生しません。一方で、1人へ300万円を贈与すると、110万円を超えた部分について贈与税が課税されます。
「300万円あるから子どもに全部渡そう」と考える前に、贈与税のルールを確認しておきたいところです。
「タンス預金だから税金がかからない」は誤解
「銀行を通さない現金だから、税務署には分からないのでは」と考える人もいるかもしれません。しかし、税金はお金の保管場所ではなく、「どのように取得したか」で判断されます。
タンス預金であっても、預金口座のお金であっても、金額次第では贈与であれば贈与税、相続であれば相続税の対象となります。そのため、「現金だから税金対策になる」という考えは誤解です。
贈与税を抑える方法はある?
贈与税を抑えるには、前出した年間110万円の基礎控除を活用する方法があります。また、住宅取得等資金や結婚・子育て資金の一括贈与など、一定の条件を満たせば利用できる非課税制度もあります。
制度を利用する際は、税理士などの専門家へ相談することも検討すると良いでしょう。
まとめ
タンス預金を持っていること自体は違法ではなく、それだけで税金がかかることもありません。しかし、その300万円を子どもへ渡す場合は、現金であっても贈与税のルールが適用されます。
生前贈与が相続税対策になるケースはありますが、「タンス預金だから何をしても税金がかからない」ということではありません。生前贈与を検討する場合は、年間110万円の基礎控除や各種非課税制度を活用しながら、税制を正しく理解して進めましょう。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など

