失業した40代の娘へ、毎月「15万円」を援助しています。私は再就職まで支えたいのですが、妻は「使い切れなかったら贈与税がかかるんじゃない?」と心配しています。生活費なら非課税ですよね?

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失業した40代の娘へ、毎月「15万円」を援助しています。私は再就職まで支えたいのですが、妻は「使い切れなかったら贈与税がかかるんじゃない?」と心配しています。生活費なら非課税ですよね?
子どもが失業し、再就職までの生活費を親が支える。親としては自然な気持ちからの援助でしょう。しかし、毎月15万円となると年間では180万円と高額になります。
 
すると、「贈与税がかかるのではないか」と心配になる人もいるかもしれません。
 
そこで、子どもへの生活費の支援に贈与税がかかるのか、月額15万円の支援を例に考えてみました。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年間110万円を超えても、生活費なら贈与税がかからない場合がある

贈与税には、1年間に受け取った贈与額から基礎控除110万円を差し引いて計算する暦年課税のルールがあります。そのため、親から子へ年間180万円を渡すと聞くと、110万円を超える70万円分に贈与税がかかるように思うかもしれません。
 
しかし、親子間の生活費援助は、通常の贈与とは扱いが異なります。国税庁によれば、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるものについては、贈与税がかからないと説明しています。
 
つまり、失業した娘が再就職するまでの間、家賃、食費、水道光熱費、通信費、医療費などといった生活費全般のために毎月15万円を援助しているのであれば、生活費として通常必要な範囲の援助と考えられる余地があります。この場合、年間180万円だからといって直ちに贈与税がかかるとは限りません。
 

40代の子どもも扶養義務者になり得る

扶養というと未成年の子どもや学生を思い浮かべがちですが、民法では、直系血族および兄弟姉妹は互いに扶養をする義務があると定められています。そして、親子は直系血族に当たります。
 
そのため、40代の子どもに対する生活費援助であっても扶養義務者間の援助として成立するのです。
 
ただし、成人した子どもへの援助であれば何でも非課税になるわけではありません。必要な範囲を超える援助は通常の贈与として扱われます。
 
例えば、失職中で貯蓄や収入がなく、生活するためには毎月15万円程度が必要という事情であれば、問題はないでしょう。
 
一方で、娘に十分な貯蓄や収入があり、親からの生活費援助を一部ないし全額を使わずに残している場合は、その使わなかった部分が贈与扱いになり、贈与税の発生する可能性があります。
 

もし贈与税がかかるならどれくらいになる?

では、仮に娘に十分な貯蓄や収入がある状態で毎月15万円の生活費の援助を続けたとしましょう。援助した全額(180万円)が贈与税の対象になるとします。
 
その際、基礎控除110万円を超える70万円に贈与税がかかります。この金額では10%の税率がかかり、支払う贈与税の額は7万円となります。
 
とはいえ、全額が贈与税の対象となることは、よほどの状態でなければ起こりえないでしょう。
 
仮に生活費として使われた部分が毎月10万円で、残りの5万円は生活に必要な範囲ではない娯楽や貯蓄、投資などに回ったとしても、110万円の非課税の範囲内に収まるため、贈与税は発生しません。
 

まとめ

失業した40代の娘に毎月15万円、年間180万円を援助する場合でも、それが再就職までの生活費として通常必要な範囲であり、かつ、実際に毎月家賃や食費、光熱費などに使われているなら、贈与税はかからないと考えてよいでしょう。
 
親子は扶養義務者に当たり、扶養義務者からの通常必要な生活費は、贈与税の対象外とされているためです。
 
ただし、生活費名目で渡したお金であるにもかかわらず、貯蓄や投資などに回したりした場合、その部分は贈与税の課税対象になる可能性があります。
 
とはいえ、税金については個人では判断が難しい部分もあります。気になることがあれば、最寄りの税務署に相談することをおすすめいたします。
 

出典

国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第四編 親族 第七章 扶養(扶養義務者)第八百七十七条
 
執筆者 : 柘植輝
行政書士

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