お盆の帰省時こそ絶好のチャンス! 親と揉めない「実家の相続・実家じまい」の切り出し方
しかし、「縁起でもないと言われそう」「何から始めればいいかわからない」などの理由で、ためらう人も少なくありません。
そこで今回は、親と揉めずに建設的な話し合いを進めるための「切り出し方のコツ」を解説します。
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
子育てファミリーや妊活カップルのライフプランニングを中心に活動しています。
結婚や妊活、出産、住宅購入など人生のターニングポイントにおけるお悩みに対して、お金の専門家としての知識だけでなく、不妊治療、育児、転職、起業など、自身のさまざまな経験を活かし、アドバイスさせていただきます。
https://fpoffice-minoria.jimdo.com/
なぜ「実家じまい」をしたほうがいいの?
「実家じまい」とは、親が住まなくなった、あるいは将来住まなくなる実家を片付け、売却・解体・賃貸などをして処分(整理)することを指します。
親が施設に入所したり、他界したりすることよって実家が突然空き家になると、遠方に住んでいる子どもが管理の負担や税金を払うことになります。
誰も住まなくなった家を空き家として放置すると、建物の老朽化や、不法投棄や放火など防犯・防災上のリスクがあります。また、住んでいなくても、固定資産税、都市計画税、火災保険料などの維持費がかかります。
家族が集まるお盆の時期に、少しずつでも「将来どうするか」の意思疎通を図っておくことで、後々のトラブルや親族間の揉めごとを未然に防ぐことができます。
実家じまいは「親が元気なうち」が最高のタイミング
実家じまいをスムーズに進める最大のコツは、親がまだ健康で、自分の意志でモノを整理できるうちに始めることです。
実家には、数十年の生活で積み重なった膨大な「モノ(思い出の品、家具、衣類など)」があります。これらを親が亡くなった後に子どもだけで片付けるのは、体力的にも精神的にも想像以上の重労働です。かといって、専門業者に丸投げすると、数十万〜数百万円の費用がかかります。
一方、親が元気なうちに実家じまいを始めると、親の希望を聞ける、家族で情報を共有できる、選択肢を多く残せるなどメリットがたくさんあります。
親と一緒に少しずつ生前整理(片付け)から始めていくのが、最も揉めずにお金もかからない「実家じまい」の進め方です。
切り出し方のコツ
実家じまいの切り出し方は多くの人が悩むところです。ポイントは、お金の話から入らないこと。突然、「この家の相続についてなんだけど」などと切り出されたら、親は「自分が死ぬ前提の話をされている」「財産を当てにされている」と不快に感じて心を閉ざしてしまいかねません。
実家じまいというと「処分」というイメージが強いですが、むしろ、実家や親のこれからの暮らしをどうしていくかを家族で考えていく作業です。
切り出し方としては、まず、今、家の中で不便なところや困っていることはないかを聞いてみましょう。昨今の異常気象や地震の頻発などを話題に、修繕が必要な箇所がないか、防災用品や備蓄品を一緒に確認・準備してみるのもおすすめです。
かかりつけの病院や、困ったときに相談できる人(町内会長や民生委員など)の連絡先も聞いておくと安心です。
そして、今後についての話ができる雰囲気になったら、次のようなことを確認しておきましょう。
・親の希望(住み続けたい/いずれは引っ越しを考えている)
・お金関連(住宅ローン残債、加入している生命保険・医療保険など)
・重要書類・貴重品の保管場所
一気にすべてを聞き出そうとせずに、話の流れから少しずつ確認できれば十分です。
まとめ
お盆の帰省は、家族のこれからについて話し合うよい機会です。相続対策としてではなく、親がこれからも安心・安全に暮らすために、という視点で無理なく少しずつ進めて行きましょう。
話し合いだけはなく、廊下に人感センサーライトを設置したり、処分に困っている家具や家電を片付けたり、自分が実家を出た時のままになっている子ども部屋を片付けるなど、できることから始めてみてください。
執筆者 : 宮野真弓
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者

