相続財産“平均額”が1年で「2660万円→3600万円」に急増! 金額は6割が「1000万円以上」? なぜ“高額層の割合”が増えているのか―課税対象額と対策を確認

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相続財産“平均額”が1年で「2660万円→3600万円」に急増! 金額は6割が「1000万円以上」? なぜ“高額層の割合”が増えているのか―課税対象額と対策を確認
親が高齢となり、相続の問題を考えるようになると「ほかの人はどれくらいの金額を相続しているんだろう」と気になる人も多いのではないでしょうか。実はある調査などによれば、近年相続財産は高額化しており、相続税を課される人も増えています。
 
本記事では、相続財産が高額化している実態に加え、子ども2人が相続人である場合を例に、親にどれくらいの財産あれば、相続税の課税対象になるのかを解説します。相続税対策についても紹介しますので参考にしてください。
松尾知真

FP2級

相続財産は高額化しているのか?

株式会社鎌倉新書が運営する相続情報サイト「いい相続」では、同社が実施した「相続手続きに関する実態調査(2026年)」の結果を公表しています。その内容を見ると相続財産の高額化が顕著です。
 
具体的には、相続財産の全国平均額が前年の2660万円から3600万円へ大きく増えています。階層別に見ても「1000万円未満」の割合が前年の44.8%が33.6%と大きく減少し、実に65%以上の人が1000万円以上の相続財産だったことになります。
 
さらに高額層の「5000万円~1億円未満」と「1億円以上」は、それぞれ12.8%から19.1%、2.8%から5.2%と大幅な増加です。
 
なお、この調査は相続に関する相談があった人などを対象としているため、一般的な平均よりも高めの金額が出ている可能性は考えられます。しかし、国税庁の「相続税の申告事績」においても、相続税が課税される割合や、課税価格、納税額は年々増えており、相続財産が高額化している傾向は間違いなさそうです。
 
これらの調査から相続財産の種類を見ると、「現金・預金」はもちろん、不動産である「土地・建物」、「有価証券などの金融商品」などが多くを占めています。近年見られる株価や不動産価格の上昇も、相続財産全体の押し上げにつながっているのかもしれません。
 

相続税はいくらからかかる?

相続税は、相続財産がどれくらいになると課税されるのでしょうか。相続税には大きな控除として、基礎控除と配偶者控除があります。特に配偶者が相続人となる場合は、1億6000万円か配偶者の法定相続分のどちらか多いほうまでは相続税がかかりません。
 
しかし、相続人が子どもだけの場合は配偶者控除が使えないため、税額が高くなってしまう可能性もあります。ここでは、被相続人の配偶者はすでに亡くなっており、相続人は子ども2人だけだった場合を想定してみましょう。
 
相続人が子どもだけであっても、相続財産が基礎控除の範囲であれば、相続税は課税されません。基礎控除の額は「3000万円+法定相続人の数×600万円」で計算されるため、子ども2人が相続人なら相続財産総額が4200万円までは非課税です。
 
例えば、相続財産総額7000万円で、子ども2人が法定相続分の2分の1ずつ相続する場合は、1人あたり(7000万円-4200万円)÷2=1400万円が課税対象額になります。課税対象額による税率や税額控除は図表1のとおりで、1400万円であれば税率15%、税額控除50万円で、税額は1400万円×0.15-50万円=160万円です。
 
図表1

図表1

国税庁 相続税の税率
 

相続税の節税対策は?

相続財産が控除額を上回る場合、できれば節税して税額を抑えたいと考える人も多いでしょう。では、相続税の節税対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
 
代表的な対策としては、親から子どもに生前贈与して、相続財産を減らす方法があります。すぐに思いつくのは110万円以下の暦年贈与を活用して、毎年親の財産を子どもに移すことかもしれません。
 
しかし、最近の法改正により相続から7年前までの暦年贈与は、相続財産に含まれることになったため注意が必要です。生前贈与には、ほかにも「結婚・子育て資金の一括贈与」「住宅取得資金の贈与」などもあり、実施時期や条件が合えば相続税対策になるかもしれません。
 
また、生命保険金には基礎控除とは別に「500万円×法定相続人」の控除枠があり、有効に使える可能性があります。さらに、相続財産に小規模な宅地などの不動産が含まれる場合は、一定の土地面積以下であれば、相続税の評価額を最大80%減額できるため、財産圧縮に効果的です。
 
ほかにも、「相続時精算課税制度」の活用など相続税対策は多岐にわたります。ただし、これらの要件を最適に組み合わせるためには、専門家の力を借りるほうが賢明かもしれません。
 
相続にかかる税制はかなり複雑なため、相続財産が基礎控除を大きく超えるようであれば、相続に詳しい税理士などへの相談は欠かせないでしょう。場合によっては納付を想定し、早めに不動産などを整理して、相続財産における現預金比率を増やしておく必要もあるかもしれません。
 

まとめ

民間会社の調査では、相続財産が1000万円を超える人の割合は6割を超えており、国の統計調査などを見ても、近年相続財産が高額化しているのは間違いなさそうです。相続税には「3000万円+法定相続人の数×600万円」の基礎控除などもありますが、その枠を超える場合は相続税対策も重要になります。
 
ただし、相続に関する税制はかなり複雑で分かりにくいため、場合によっては事前に税理士などへの相談が必要になります。まずは、相続について家族間で話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。
 

出典

株式会社鎌倉新書 いい相続 【第4回】相続手続きに関する実態調査(2026年)
国税庁 令和6年分 相続税の申告事績の概要
国税庁 相続税の税率
 
執筆者 : 松尾知真
FP2級

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