親が亡くなって通帳を確認したら、毎月「5万円」が見知らぬ口座に振り込まれていました。生前に誰かに渡していたようですが、遺産として取り返せますか?

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親が亡くなって通帳を確認したら、毎月「5万円」が見知らぬ口座に振り込まれていました。生前に誰かに渡していたようですが、遺産として取り返せますか?
親が亡くなった場合、相続手続きを行う必要がありますが、親の死亡後に、今まで知らなかったお金の動きが分かるケースがあります。
 
今回は、タイトルのように、親が生前に誰かに渡していたお金の取り扱い方について、確認していきましょう。
下中英恵

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

親が生前に渡していたお金は取り返せる?

タイトルのように、親が生前に毎月誰かに5万円を渡していた場合、相続人は「取り返せるかもしれない」と考えるかもしれません。しかし、このお金がどういうものだったのかによって、判断が分かれます。
 
この5万円は、親が生前にお世話になった方やお手伝いさん、介護してくれた人、知人、内縁関係の相手など、親が自分の意志で渡していた可能性があります。
 
もしも書面などで贈与の契約が締結されており、親が毎月5万円を誰かに生前贈与していた場合、履行済み分の贈与を取り消すことはできません。
 
また、何も書面などがない場合でも、親と受取人との間に贈与の合意があり、すでに振り込まれたお金は履行済みの贈与となります。そのため、一般的に返還してもらうのは難しいケースが多いと考えられます。
 

お金を返還してもらえるケースとは?

ただし、例外として以下のようなケースの場合、親が生前に振り込んでいたお金を返還してもらえる可能性があります。


・親の意思に関係なく、第三者がキャッシュカードやネットバンキングを使って勝手にお金を送金していた。
・親が認知症などで判断能力がない状態だった。
・贈与ではなく、貸しているお金だった。そして、後で返還する約束をしていた。

このようなケースでは、今まで親が生前に振り込んでいたお金は、戻ってくる可能性があります。まずは、この5万円が誰に、どのような経緯で毎月振り込まれていたかを確認する必要があります。
 
また、生前贈与によって一定の相続人の遺留分が侵害されている場合は、贈与そのものの返還ではなく、遺留分侵害額に相当する金銭を請求できる可能性があります。
 

具体的に必要な手続きをチェック

では、具体的に、親の死後に今まで知らなかったお金の動きがあった場合、どのような手続きをとったらよいのかチェックしていきましょう。
 
まずは、お金の動きを正確に把握しましょう。誰に、いつからいつまで、どのような経緯で、総額いくらが振り込まれていたかを確認します。確認するためには、通帳などの振り込みの明細履歴が分かるもの、振込先の名義人名、親のメモや手紙、メールなどが有効です。
 
また、振り込みが行われていた期間については、親の健康状態や認知能力も確認しておきましょう。誰か親がお世話になっていた人はいたか、介護や生活の援助を受けていたかなども把握しておくとよいでしょう。
 
そして、これらの情報から、毎月の5万円がどのような経緯で振り込まれていたかを明らかにして、返還が可能か、難しいかを判断することが大切です。
 
毎月5万円の振り込みの場合、1年で60万円、5年で300万円と、決して小さい金額ではありません。まずは、詳細を明らかにするようにしましょう。
 

相続のトラブルは専門家への相談を

親の死亡により、相続手続きを行う必要がありますが、思わぬところでトラブルが起こる可能性があります。今回のように、生前の定期的な振り込みが判明したり、誰か特定の人に生前贈与を行っていることが判明したりと、家族も知らなかった事実が分かるケースがあるでしょう。
 
どのように手続きをしたらよいのか分からない場合は、税理士や弁護士など、法律に詳しい専門家に相談することを検討しましょう。今回ご紹介したケースを参考にしながら、正しい情報をチェックし、不備がないように相続手続きを行うことが大切です。
 

出典

デジタル庁 e-Gov 法令検索 民法
法務省 遺留分制度の見直し
最高裁判所 遺留分侵害額の請求
 
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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