独身だった叔母が亡くなり「2000万円」の預金が残りました。その親族とは長年ほとんど交流がなく、叔母の面倒も見ていなかったのですが、それでも相続する権利はあるのでしょうか?
ただし、叔母の「おい・めい」だから必ず相続できるわけではありません。叔母の子、親、兄弟姉妹などの状況を戸籍で確認する必要があります。
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叔母に子どもや親がいなければ兄弟姉妹が相続人になる
亡くなった人に配偶者がいる場合、配偶者は原則として常に相続人になります。今回の叔母が独身で配偶者がいないなら、次に法律で定められた順位を確認します。
第一順位は子です。叔母に実子や養子がいれば、まず子が相続人になります。子やその代襲相続人(叔母の孫)がいない場合、第二順位として父母や祖父母などの直系尊属が相続人になります。
それらの人もいない場合に、第三順位として叔母の兄弟姉妹が相続人になります。そのため、自分の親が叔母の兄または姉、弟または妹で、その親が現在も存命なら、原則として相続人になるのは自分の親です。おい・めいである自分が直接相続するわけではありません。
一方、その親が叔母より先に亡くなっている場合は、おい・めいが代襲相続人となり、親が受け取るはずだった相続分を引き継ぐことがあります。
長年疎遠でも相続人としての権利はなくならない
法律上の相続人に当たるのであれば、「10年以上会っていなかった」「介護を一度もしていなかった」という事情だけで相続権がなくなるわけではありません。
反対に、叔母と非常に親しく、毎日のように介護をしていた友人がいたとしても、その人が親族ではなく遺言もなければ、当然に法定相続人になるわけではありません。
つまり、相続は「一番面倒を見た人へ自動的に渡す」という制度ではありません。
ただし、叔母が遺言書を残している場合は話が変わります。たとえば「全財産を長年世話をしてくれた友人Aへ遺贈する」と有効な遺言に書いてあれば、その内容が大きく影響します。
特に、兄弟姉妹には遺留分がありません。おい・めいが兄弟姉妹を代襲して相続する場合にも、遺留分を主張できません。遺留分とは、法定相続人が最低限相続できる権利のことで、遺言の内容に左右されない一定の制約分のことです。
仮に、叔母に子どもがいるとします。他に法定相続人はいません。叔母の遺言書に「全額を友人Aに」と書いてあっても、2000万円のうち2分の1、すなわち1000万円は子の遺留分となります。このように、相続人別に遺留分の割合は決まっており、たとえば、相続人が「子のみ」の場合は「2分の1」です。
一方で、「兄弟姉妹のみ」の場合は「遺留分なし」です。そのため、法定相続人になる立場だったとしても、遺言の内容によっては2000万円の預金を受け取れないことがあります。
預金2000万円だけを見てすぐ相続手続きをしない
「2000万円も残っているなら相続したほうが得」と思っても、まず叔母の財産全体を確認しましょう。
預金が2000万円あっても、借金、未払いの税金、家賃、施設費などの債務が残っている可能性があります。相続では、原則としてプラスの財産だけでなく債務も引き継ぎます。
相続を希望しない場合は、家庭裁判所で相続放棄をする方法があります。相続放棄は、原則として自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に申述する必要があります。
また、叔母の預金以外に不動産や有価証券がないかも確認してください。
仮に相続財産が本当に預金2000万円だけなら、相続税の基礎控除は最低でも3600万円です。ほかに相続財産や加算対象となる贈与などがなければ、2000万円だけで相続税が発生する可能性は通常高くありません。
ただし、誰が相続人なのか分からない状態で預金を勝手に分けるのは避けましょう。叔母の出生から死亡までの戸籍などを集め、法定相続人を確定することが先です。
まとめ
叔母と長年ほとんど交流がなく、介護もしていなかったとしても、それだけで相続する権利を失うわけではありません。相続人になるかは、基本的に法律上の親族関係と遺言の有無で決まります。
ただし、おい・めいだから必ず2000万円を相続できるわけではありません。叔母に子や親がいないことに加え、自分の親である叔母の兄弟姉妹が先に亡くなっている場合などに、おい・めいが代襲相続人となる可能性があります。
まず叔母の戸籍を確認し、誰が法定相続人なのかを確定しましょう。同時に遺言書と借金の有無も調べる必要があります。疎遠だったことを理由に遠慮して権利を放棄する必要はありませんが、預金額だけを見て急いで相続を受け入れず、財産と債務の全体像を確認してから手続きを進めることが大切です。
出典
国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分
政府広報オンライン 知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】
裁判所 相続の放棄の申述
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

