母から相続した「500万円」のうち「200万円」を自宅で保管しています。きちんと相続した自分のお金ですし、出どころも説明できるのですが、数年後に銀行へ戻すと税務署から確認されるのでしょうか?

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母から相続した「500万円」のうち「200万円」を自宅で保管しています。きちんと相続した自分のお金ですし、出どころも説明できるのですが、数年後に銀行へ戻すと税務署から確認されるのでしょうか?
母から正しく相続した500万円のうち200万円を自宅で保管し、数年後に自分の銀行口座へ入れたとしても、その入金によって新たに相続税や贈与税が発生するわけではありません。税金のポイントになるのは「銀行へ入れた日」ではなく、母から財産を相続したときです。
 
ただし、まとまった現金を銀行へ持ち込むと、金融機関からお金の出どころや取引目的を確認される場合があります。後から説明できるよう、相続関係の書類や出金記録を残しておくことが大切です。
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相続した現金を銀行へ戻しても新たな所得にはならない

相続税は、亡くなった人から相続や遺贈によって取得した現金、預貯金、不動産、有価証券などを対象として計算します。そのため、母が亡くなったときに500万円を相続し、そのうち200万円を自宅へ持ち帰った場合、税務上重要なのは相続した時点です。
 
たとえば2026年に500万円を正しく相続し、200万円だけ現金で自宅に置き、2029年に銀行口座へ戻したとします。2029年の入金は、自分がすでに所有している現金を「自宅から銀行へ移しただけ」です。それ自体が給与や贈与などの新たな収入になるわけではありません。
 
もちろん、母の遺産全体が相続税の基礎控除を超えていた場合など、本来必要だった相続税申告をしていなかったケースは別です。「500万円しか自分は受け取っていないから申告不要」とは限らず、相続税は遺産全体や法定相続人の数などをもとに判断します。
 
すでに必要な相続手続きを済ませているのであれば、数年後の預け入れを過度に心配する必要はありません。
 

200万円でも銀行からお金の出どころを聞かれることはある

銀行へまとまった現金を持っていくと、「何のお金ですか」と聞かれることがあります。
 
金融機関では、犯罪収益の移転や特殊詐欺などを防ぐため、取引目的、職業、資産・収入の状況などを確認する場合があります。
 
犯罪収益移転防止法上、1回200万円を「超える」現金取引は取引時確認の対象となる代表例です。今回の200万円ちょうどは、この「200万円超」には当たりません。
 
ただし、「200万円以下なら銀行から何も聞かれない」という意味ではありません。金融庁も、多額の現金取引などについて、金融機関が取引目的や資産・収入の状況に関する資料や説明を求める場合があると案内しています。
 
背景には、マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策への国際的な目線の高まりがあります。同庁は、所管する金融機関に対し、2024年3月までに「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」で求めている対応について、態勢整備が完了するよう要請をしてきたと説明しています。
 
そのため、金融機関から、従来よりも詳しく確認されることがあります。窓口で「相続したお金を数年間自宅で保管していました」と説明を求められることは十分考えられます。
 
銀行から確認されたこと自体は、脱税を疑われているという意味ではありません。事実をそのまま説明すればよいでしょう。
 

相続したことが分かる資料は数年後まで残しておく

税務署から必ず問い合わせが来るとは限りませんが、大きなお金の出どころを証明できる資料は保管しておくことをおすすめします。
 
たとえば、遺産分割協議書、相続税申告書の控え、母の預金口座の資料、自分の口座へ相続金が振り込まれた記録、現金を引き出した際の通帳記録などです。
 
仮に相続後、自分の口座から500万円を引き出し、そのうち200万円を自宅保管したのであれば、その出金記録が残っていると説明しやすくなります。
 
反対に、数年後に突然200万円を現金入金し、「昔相続したものです」と口頭で説明するだけでは、銀行側の確認作業が長引いたり、スムーズに手続きが進まなかったりするリスクがあります。
 
特に自宅保管の現金は、通帳のように残高履歴が残りません。いつ、どのように取得した現金なのかを自分で記録しておくと安心です。
 
また、多額の現金を長期間自宅に置けば、盗難、火災、紛失などの危険もあります。すぐ使う予定がないなら、金融機関で保管する方法も検討しましょう。
 

まとめ

母から正しく相続した500万円のうち200万円を自宅で保管し、数年後に銀行へ戻したとしても、その預け入れによって新たな贈与税や相続税が発生するわけではありません。
 
一方、銀行はマネー・ローンダリング対策などのため、まとまった現金の入金について出どころを確認する場合があります。200万円ちょうどでも、銀行独自の判断で説明や資料を求められることはあります。
 
大切なのは、「税務署に聞かれないようにすること」ではなく、正しく説明できる状態を作ることです。相続関係の書類や通帳記録を残しておけば、数年後に現金を銀行へ戻す際も落ち着いて対応できます。
 

出典

政府広報オンライン 金融機関などでの取引時に行う「本人確認」等にご協力ください
金融庁 金融機関におけるマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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