母の遺品整理で、査定額「100万円」の高級万年筆が見つかりました。形見として私が持っておくだけなのですが、それでも相続財産として申告する必要があるのでしょうか?

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母の遺品整理で、査定額「100万円」の高級万年筆が見つかりました。形見として私が持っておくだけなのですが、それでも相続財産として申告する必要があるのでしょうか?
母の遺品から100万円の価値がある高級万年筆が見つかった場合、売却せず形見として手元に置くだけでも、原則として相続財産として考える必要があります。相続税は、現金や預金だけでなく、金銭的な価値のある動産も対象になるためです。
 
ただし、「100万円と査定されたから必ず相続税の申告が必要」というわけではありません。まず、母が亡くなった時点の万年筆の価額を確認し、預金や不動産などを含む遺産全体が相続税の基礎控除を超えるかを判断します。
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高級万年筆も価値があれば相続財産に含まれる

相続財産というと、預金、不動産、株式などを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、家具、絵画、宝石、時計などの動産も、亡くなった人が所有していた財産です。
 
国税庁のタックスアンサー(よくある税の質問)「No.4105 相続税がかかる財産」では、以下のように説明されています。
 

相続税は、原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。
 
この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。

 
高級万年筆も、金銭に見積もることができます。亡くなった母が所有していたものを相続したのであれば、「売らないから財産ではない」という扱いにはなりません。
 
国税庁の財産評価基本通達では、一般動産は原則として1個または1組ごとに評価します。家庭用動産のうち1個または1組の価額が5万円以下のものについては、まとめて評価することもできます。
 
一方、査定額が100万円になるような高級万年筆であれば、この5万円以下の扱いではなく、個別に評価することになるでしょう。
 
「思い出の品なのでお金として見ていなかった」という気持ちと、相続税上の財産評価は別の問題です。形見としてずっと保管する場合でも、価値のある財産を取得したことには変わりありません。
 

計算に使うのは現在の査定額ではなく相続時点の価額が基本

注意したいのは、遺品整理をした現在の査定額100万円が、そのまま相続税評価額になるとは限らない点です。相続財産は、原則として相続によって取得した時、つまり母が亡くなった時点の価額で評価します。
 
国税庁は一般動産について、売買実例価額や、その品物に詳しい専門家の意見価格などを参考に評価するとしています。
 
たとえば、母が亡くなった時点では中古市場で70万円程度だった限定万年筆が、その後人気となり100万円まで値上がりしたのであれば、現在100万円だから死亡時も100万円だったと単純には決められません。
 
逆に、現在の買取業者から「100万円」という査定を受けた場合も、それが買取価格なのか、小売市場での販売価格なのかを確認しましょう。
 
ブランド名、モデル名、シリアル番号、箱や保証書の有無、状態が分かる写真を残しておくと評価資料になります。高額な品で判断が難しい場合は、複数の専門店で査定を受け、母が亡くなった頃の相場についても確認するとよいでしょう。
 

万年筆が100万円でも遺産全体が基礎控除以下なら申告不要の場合がある

「100万円の万年筆を相続した=相続税申告が必要」というわけではありません。
 
相続税が問題になるのは、相続税の対象となる財産などの合計額が基礎控除を超える場合です。基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
 
たとえば法定相続人が子ども2人なら、基礎控除は4200万円です。簡単な例ですが、母の預金が2000万円、自宅などが1500万円、高級万年筆が100万円、そのほかの財産が100万円で、正味の遺産額が合計3700万円だったとすれば、基礎控除4200万円以内に収まります。
 
この場合、万年筆自体は相続財産ではありますが、原則として相続税の申告・納税は必要ありません。
 
反対に、ほかの財産を合わせると基礎控除を超えるのであれば、万年筆も含めて申告額を計算する必要があります。申告・納税の期限は、被相続人(母)の死亡を知った日(通常の場合は、死亡の日)の翌日から10ヶ月以内です。
 
すでに相続税の申告を終えた後で100万円相当の万年筆が見つかった場合は、それを加えることで税額が変わるか確認しましょう。税額が増える可能性があるなら、税務署や税理士へ相談するのが安全です。
 

まとめ

母の遺品から見つかった査定額100万円の高級万年筆は、売却せず形見として持っておく場合でも、原則として相続財産に含まれます。
 
ただし、相続税の評価で重要なのは現在の査定額ではなく、基本的には母が亡くなった時点の価額です。モデルや状態、当時の取引相場などを確認しましょう。
 
また、万年筆が100万円だから必ず相続税申告が必要になるわけではありません。預金、不動産などを含む遺産全体が「3000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除を超えるかが重要です。
 
高価な遺品を見つけたら、「売らないから関係ない」と考えず、写真や査定資料を残して遺産一覧へ加えましょう。遺産全体を確認してから申告の要否を判断すれば、後から財産の申告漏れに気づくリスクを減らせます。
 

出典

国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 第1節 一般動産
国税庁 No.4102 相続税がかかる場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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