子ども名義の口座に貯めた「400万円」から、大学の学費を払う予定です。教育費として直接使うお金なのですが、それでも「贈与税」がかかるのでしょうか?
しかし、数年前に400万円をまとめて子どもの財産として渡していたのであれば、贈与税を判断する時期は学費を払う「今」ではなく、400万円を贈与した「当時」です。まず口座のお金が誰の財産なのかを確認しましょう。
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親が必要な学費をその都度払うなら贈与税がかからない
国税庁は、父母や祖父母などの扶養義務者から、通常必要な生活費や教育費を受け取った場合、一定の条件で贈与税がかからないとしています。
教育費には、学校の授業料、教材費、文具費などが含まれます。
たとえば大学から「前期授業料70万円」という納付書が届き、親がその70万円を負担して大学へ支払った場合です。必要な時期に必要な金額を教育費へ直接使っているため、通常の教育費として扱われます。このように、教育費に「必要な都度」支払われるかどうかは重要なポイントです。
年間の学費が110万円を超えたからといって、自動的に贈与税がかかるわけではありません。
つまり、親が400万円の資金を持っており、大学4年間の授業料を毎年必要な時期にその都度支払うなら、一般的な贈与とは扱いが異なります。
問題になるのは、400万円をかなり前から子ども自身の財産として一括して渡していた場合です。
数年前に400万円を贈与済みなら「今学費に使う」ことで非課税にはならない
国税庁は、数年間分の教育費を一括して贈与し、そのまま預貯金となっている部分は、通常の教育費の非課税対象にならないとしています。
たとえば子どもが高校生のときに、親が「大学費用として400万円あげる」と伝え、子どもが自由に管理できる口座へ400万円を移したとします。
この時点で贈与が成立していたのであれば、贈与税を考えるのは400万円を渡した年です。400万円という金額は、贈与税(暦年課税)の年間110万円という基礎控除額を超えるため、その時点で贈与税の申告と納税の義務が発生しています。
その後、大学入学時に400万円から100万円を授業料として払っても、「教育費に使ったから過去の400万円の贈与が後から非課税になる」という仕組みではありません。扶養義務者が必要な都度、教育費を支払うという前述のケースとは異なります。
反対に、口座は子ども名義でも、親が通帳や印鑑を管理し、子どもには自由に使わせず、親の財産として学費支払い用に積み立てていたのであれば、単純に「子どもへ400万円を贈与済み」とは言えない可能性があります。実質的には、親のお金であると判断されうるためです。
口座名義だけで判断せず、資金を出した人と実際の管理者を確認することが重要です。
これから学費を払うなら請求書と振込記録を残しておく
子ども名義口座の400万円について税務上の扱いを整理するには、まず過去の入金履歴を確認しましょう。
毎年両親から一定額が振り込まれていたのか、ある年に400万円をまとめて移したのか、お年玉やお祝い金を積み立てたのかによって事情が違います。
すでに子どもの財産として贈与が成立しているなら、そのお金を子ども自身が自分の学費へ使うことによって、新たな親から子への贈与が発生するわけではありません。ただし、過去の贈与時点で申告が必要だったかは別途確認が必要です。
一方、実質的に親のお金として管理していたのであれば、大学から請求された学費を必要な都度そこから直接支払う形にすると、教育費としての資金移動を説明しやすくなります。
大学の授業料納付書、入学金の請求書、銀行振込の控えなどを保管しておきましょう。
なお、祖父母などから将来の教育費を一括して受け取る「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、新規の適用が2026年3月31日で終了しています。ただし、扶養義務者が必要な教育費をその都度負担する通常の非課税の取り扱いまでなくなったわけではありません。
まとめ
子ども名義口座の400万円から大学の学費を払う場合、学費へ使うという事実だけで贈与税が決まるわけではありません。
親が持つお金を、必要な時期に大学の授業料などへ直接使うのであれば、通常必要な教育費として贈与税がかからないことがあります。
一方、数年前に400万円を子どもの財産として一括贈与していたなら、その年に贈与税の問題が生じていた可能性があります。今になって学費へ使っても、過去の贈与が自動的に非課税になるわけではありません。
まず通帳の入金履歴と管理状況を確認し、「誰のお金だったのか」「いつ贈与が成立したのか」を整理しましょう。大学の請求書や振込記録も残しておけば、教育費として使ったことを後から説明しやすくなります。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A
国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
