夫の死後3日でNISAが「1000万円→1300万円」へ急騰!数日前は「遺産は合計3500万円だから非課税」と思ってたのに“相続税”がかかってしまいますか? 税金が発生するケースを確認

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夫の死後3日でNISAが「1000万円→1300万円」へ急騰!数日前は「遺産は合計3500万円だから非課税」と思ってたのに“相続税”がかかってしまいますか? 税金が発生するケースを確認
NISAは1800万円までであれば、無期限で非課税保有できるため、NISAで金融資産を保有しているという人も少なくないかと思います。
 
では、もしNISA口座の保有者が亡くなった場合、そのまま非課税で引き継ぐことはできるのでしょうか。また、死後に急騰した場合、相続税の計算はどのようにされるのでしょうか?
 
本記事では、NISA口座の保有者が亡くなった際の手続きや相続税について解説します。
金成時葉

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

故人のNISA口座から相続人のNISA口座に資産を移すことはできない

NISA口座の保有者が亡くなった場合、資産を相続人のNISA口座に移すことはできません。
 
国税庁の通達「措置法第37条の14」には、NISA口座の保有者が亡くなった場合、そのときにさかのぼって非課税上場株式等管理契約、非課税累積投資契約または特定非課税累積投資契約に基づく譲渡があったものとみなされ、非課税口座から払い出しがされると記載があります。
 
実際に、三菱UFJeスマート証券の「Q&Aよくあるご質問」には、次のような記載があります。
 
”被相続人(亡くなった方)が非課税(NISA)口座で保有していた上場株式などを相続人の非課税(NISA)口座に相続移管することは可能でしょうか。
 
相続人の非課税(NISA)口座に受入することはできません。相続人の特定口座か一般口座のいずれかに受入することになります。受入れる上場株式などの取得日は相続発生日となり、取得価額は相続発生日の時価となります。”
 

NISA口座の保有者が亡くなって資産を相続するときの手続き

NISA口座の保有者が亡くなったあと、資産を相続する際の手続きの大まかな流れは次の通りです。金融機関によって詳細は異なるため、詳しくは金融機関に問い合わせましょう。

1. 相続人がNISA口座の保有者が亡くなったことを金融機関に連絡する
2. 書類が金融機関から送付される
3. 必要書類をそろえて金融機関に提出する
4. 金融機関で相続人の口座が開設される
5. 資産が被相続人のNISA口座から相続人の口座に移管される
6. 相続完了通知が金融機関から送付される

必要な書類は、被相続人が亡くなったことが確認できる戸籍謄本、相続人の印鑑証明書などです。遺言書があるか、遺産分割協議書があるかなどでも必要な書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。また、被相続人のNISA口座から相続した資産を特定口座と一般口座に分けて入れることはできません。
 

亡くなった後に急騰した場合、相続税はどうなる?

先述したように、被相続人のNISA口座から相続した資産を自分のNISA口座に移すことはできません。特定口座もしくは一般口座で受け取ることになります。特定口座は、金融機関が年間の譲渡損益を計算してくれるものです。一般口座は、自分自身で計算する必要があります。
 

上場株式における相続税評価方法

上場株式は、相続開始日の最終価格によって評価されます。ただし、最終価格が次の3つの価額のうちもっとも低い価額により評価されます。

・課税時期の属する月の最終価格の月平均額
・課税時期の属する月の前月の最終価格の月平均額
・課税時期の属する前々月の最終価格の月平均額

なお、被相続人の課税時期に最終価格がない場合やその株式に権利落ちなどがある場合には、一定の修正をすることになっています。
 

投資信託における相続税評価方法

投資信託における相続税は、次の計算式で評価されます。
 
相続開始日1口あたりの基準価額×口数-解約時に差し引かれる税金-信託財産留保額および解約手数料
 

1000万円が死亡後に1300万円に急騰した場合の相続税は?

上場株式の相続税評価額は、相続開始日(被相続人の死亡した日)の最終価格で評価されます。そのため、死亡の3日後に急騰したとしても、亡くなった日の価格である1000万円で評価されます。
 
次の条件で相続税を計算してみましょう。

・マイナスの財産はなし
・相続人は妻のみ
・一番低い価額は相続開始日の1000万円

相続税の基礎控除額は次の計算式で求められます。
基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人数)
このケースでは基礎控除額は3600万円です。
 
今回の場合、NISA口座の1000万円、不動産や預貯金が2500万円のため、相続財産の総額は3500万円です。マイナスの財産はなく、法定相続人数は1人のため、基礎控除額の3600万円以内に収まっています。
 
また、相続人が妻(配偶者)の場合、1億6000万円または配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までは、軽減制度によって相続税はかかりません。よって、相続人は妻のみ、法定相続分相当額は3500万円であれば相続税はかかりません。
 

相続人が運用した資産に対しては税金が発生する

相続したNISA口座の資産は、特定口座もしくは一般口座に移管されます。そのため、移管した後の利益に対しては税金が課されます。なお、その際の取得価額は相続が発生した日の価額となります。
 
例えば、相続発生日に1000万円だった資産が1500万円に値上がりしたときに売却すると、500万円の利益に対して税金がかかります。
 

相続後にどうするかも考えておこう

NISA口座の資産を相続したあとにどうするか、選択肢は次の3つです。

・特定口座または一般口座で保有を続ける
・売却して現金化する
・売却して自分のNISA口座で買い直す

他の相続資産の状況や相続人の人数などによっても、選択が変わります。亡くなってからあわてるのではなく、日頃から資産状況を把握しておくようにしましょう。
 

出典

国税庁 措置法第37条の14《非課税口座内の少額上場株式等に係る譲渡所得等の非課税》関係
 
執筆者 : 金成時葉
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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