夫が“団信なし”の「国の教育ローン200万円」を残し死亡…相続放棄したいのに「iPhone10万円の端末代」もあり、解約すると「相続放棄できなくなる」と聞き困惑…“使わない端末代”は支払う必要がある?

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夫が“団信なし”の「国の教育ローン200万円」を残し死亡…相続放棄したいのに「iPhone10万円の端末代」もあり、解約すると「相続放棄できなくなる」と聞き困惑…“使わない端末代”は支払う必要がある?
iPhoneの端末代は原材料費の高騰や円安にともない、年々高くなっています。そのため、端末代を分割払いにしている人も多いでしょう。分割払いが残っているまま亡くなった場合、相続はどうなるのでしょうか。また、解約しても問題はないのでしょうか。
 
本記事では、スマートフォンの端末代が残っているときの相続における取り扱い、解約する際の手続き、やってはいけないNG行為などを解説します。
金成時葉

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

残っている端末代は債務にあたる

相続では預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金や未払い金といったマイナスの財産も引き継がれます。民法の第896条では、次のように定められています。
 
“相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。”
 
そのため、iPhoneの端末代の分割払いを残したまま亡くなった場合、相続すると残っている端末代の支払いも引き継ぐ必要があります。
 

相続放棄をすると端末代の支払いは必要なくなる

相続放棄とは、被相続人の権利や義務を一切引き継がない手続きです。民法の第939条では次のように定められています。
 
“相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。”
 
UQmobileのホームページでは、次のように記載されています(2026年9月時点)。
 

”Q 契約者が亡くなった場合、未払い料金の支払いは必要ですか?
A ご逝去されたご契約者さまから相続を受けている場合は、未払い料金も相続されますのでお支払いが必要です。
 
相続放棄されている場合は、未払い料金も相続放棄となりお支払いの必要はございませんが、ご家族さまに回線のご解約手続きをお願いしております。”

 
そのため、相続放棄をすれば、残っている端末代の支払いをする必要はなくなります。また、国の教育ローンなども同様です。ただし、相続放棄をすれば、預貯金や不動産など、プラスの財産も引き継がないことになります。
 

相続放棄前にやってはいけないNG行為

相続放棄する前に、被相続人のスマホを解約すると、相続するものとみなされる可能性がある点に注意が必要です。これは「法定単純承認」と呼ばれるもので、民法921条では、次のように定められています。
 

“次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。”

 
相続放棄前にスマホの解約をすると、相続財産を処分したとみなされる可能性があります。また、被相続人の資産を使って携帯料金を支払ったり、自分の名義に変更したりすることも、法定単純承認とみなされる可能性があります。
 

相続放棄する際の手続き

相続放棄する際には、手続きの順序が大切です。まず相続放棄を裁判所に申し立ててから、スマホの解約手続き、残っている支払いを免除する手続きの3段階で行います。
 
まずは相続放棄を家庭裁判所に申し立てなければなりません。これは、相続の開始があったことを知ったときから原則3ヶ月以内にする必要があります。相続放棄の申述書や被相続人の住民票除票、放棄する人の戸籍謄本などの必要書類を用意して、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に提出します。
 
次に、通信会社にスマホ解約の手続きを行いましょう。この際、相続放棄する予定であることを伝えておくとスムーズです。なお、楽天モバイルでは相続放棄している人からの解約申請は受け付けないとしているため、注意が必要です(2026年9月時点)。
 
解約手続きをしたら、支払い免除の手続きをしましょう。この手続きには家庭裁判所から送付される「相続放棄申述受理通知書(写し)」が必要です。これは相続放棄の手続きをしたことを第三者に対して証明するものです。車・バイクの処分など、スマホ以外の手続きでも必要となるため、なくさないようにしましょう。
 

慌ててスマホを解約しないようにしよう

家族が亡くなってすぐに「もう必要ないから」とスマホを解約しないようにしましょう。法定単純承認と見なされて相続放棄ができなくなる、というのも理由ですが、ほかにも故人の会社関係者や友人などと連絡が取れなくなったり、Webサービスの2段階認証が利用できず、ログインできなくなったりといったことが考えられます。
 
スマホ料金が発生し続けると気がかりですが、一通りの手続きを済ませてから、解約するようにしましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)
裁判所 相続の放棄の申述
 
執筆者 : 金成時葉
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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