おばの遺品で「N-BOX」を“無償譲渡”された友人。「名義変更すればOK。税金が出ても親が払う」と言いますが、本当に“親が肩代わりすれば問題ない”のでしょうか? 注意点を確認
本記事では、遺品の車を無償で譲り受けたケースを例に、贈与税の計算方法や、親に税金を立て替えてもらう際に注意したいポイント、名義変更や税務申告を進める際の基本的な手順について解説します。
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無償で譲り受けたN-BOXに贈与税はかかる?
車を無償で譲り受けた場合、税務上はその車の価額に相当する経済的利益を受け取ったと考えられ、贈与税の対象となる可能性があります。
例えば、本来の相続人であるおばの子どもが車を相続した後、その車を友人に無償で譲ったのであれば、相続人から贈与を受けたものとして扱われます。
贈与税の基準となるのは、車そのものの購入価格ではなく、「贈与を受けた時点の時価」です。「N-BOX」のような人気が高く流通量の多い車は、年式や状態によって価値が変わるため、まずは中古車市場で価額を把握することが重要です。
150万円の車を譲り受けた場合の贈与税の計算
この車以外にその年に贈与を受けておらず、基礎控除後の課税価格が200万円以下の一般税率(10%)が適用されるケースとして、車の価額を150万円として計算してみましょう。
贈与税には、年間110万円の基礎控除があります。課税対象額は「150万円-110万円=40万円」で、これに対する税率は10%です。
したがって、この場合の贈与税額は「40万円×10%=4万円」となります。現金を受け取っていなくても、価値のある車を無償で取得すれば、価額によっては税金が発生する点に注意が必要です。
親に税金を立て替えてもらう際に注意したいこと
本来、税金は「財産をもらった本人」が納めるのが大原則です。親に税金を出してもらう場合、それが「もらったもの(贈与)」なのか、「借りたもの(借入金)」なのかが曖昧だと、「みなし贈与」といったトラブルの原因になります。
親から一時的にお金を借りて納税するのであれば、金銭消費貸借契約書(借用書)を作成したり、銀行振込を利用して返済履歴を残したりするなど、「借入であること」を客観的に証明できるようにしておくことが大切です。
なお、親が肩代わりして支払った税金分も「親からの贈与」として扱われるため、車を含めてその年に受けた贈与の合計が110万円を超える場合には、追加の贈与税や申告が必要になる点に気をつけてください。
車の価額を確認してから名義変更と申告を進める
遺品の車を無償で譲り受ける際は、まず適正な価値を把握するために複数の中古車買取業者などで査定し、査定書を保管しておきましょう。
査定額が110万円以下の場合
基礎控除の範囲内となるため贈与税はかかりません。安心して名義変更を進められます。
査定額が110万円を超える場合
超えた金額が課税対象となります。贈与税の申告・納税が必要な場合は、翌年の2月1日から3月15日までに手続きしてください。
なお、税金の手続きとは別に、車の名義変更もしなくてはなりません。相続の場合、車検証に記載されている所有者が死亡した事実と、新しい所有者がその相続人(親族など)であることを確認できる戸籍謄本、もしくは法務局が交付する法定相続情報一覧図など特殊な書類が必要となるため、注意しましょう。
また、普通車と軽自動車では、手続き先(陸運支局か軽自動車検査協会か)や必要書類が異なります。判断に迷う場合は、専門家や管轄の窓口への相談をおすすめします。
車の価値と財産の移転を確認して、適切に手続きを
遺品として車を無償で譲り受けることは、購入費用がかからないのが大きなメリットです。一方で、車には中古車としての価値があるため、譲り受け方によっては贈与税が関係することがあります。
150万円相当の車を無償で譲り受け、この車以外に贈与を受けていないケースの場合は、基礎控除110万円を差し引いた40万円が課税対象となり、贈与税は4万円です。
もちろん実際の税額は、その年に受けたほかの贈与や、誰から誰へ財産が移ったのかなどによって変わります。車を譲り受ける際は、まず車の価額を確認し、財産の移転経緯を整理したうえで、名義変更や税務上必要な手続きを進めましょう。
出典
国税庁 財産をもらったとき
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
