夫は退職金「1200万円」のうち「500万円」を、子どものマイホーム購入資金として援助する予定です。「住宅購入のためのお金なら大丈夫」と言いますが、そのまま渡しても問題ないのでしょうか?
本記事では、子どもへ500万円を渡すと贈与税がかかるのかやマイホーム購入資金を援助する際に利用できる非課税制度について解説します。退職金から子どもへの援助を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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子どもに500万円を渡すと贈与税はかかる?
親から子どもへ500万円を渡した場合、原則として贈与税の対象です。贈与税には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。暦年課税では、1年間に受け取った財産の合計額から110万円の基礎控除を差し引き、残った金額に応じて贈与税を計算します。
例えば、贈与を受ける年の1月1日時点で18歳以上の子どもが父親から500万円を受け取った場合、計算は次の通りです。
・500万円-110万円=390万円
・390万円×15%-10万円=48万5000円
ほかに贈与がない場合、贈与税は48万5000円となります。一方、相続時精算課税は、原則として60歳以上の父母や祖父母などから、18歳以上の子や孫などへの贈与で選択できる制度です。
初めての贈与であれば年間110万円の基礎控除に加え、累計2500万円の特別控除があるため、条件を満たせば500万円を贈与しても贈与時の税金はかかりません。
マイホーム購入資金として援助する場合非課税制度がある
親から子どもへマイホーム購入資金を援助する場合は、「住宅取得等資金の贈与の非課税」を利用できる可能性があります。この制度は、令和6年1月1日~令和8年12月31日に父母や祖父母などの直系尊属から住宅の新築・購入・増改築などに使う資金の贈与を受け、一定の要件を満たした場合に適用されるものです。
非課税限度額は、省エネ等住宅の場合は1000万円、それ以外の住宅では500万円です。そのため、制度の要件を満たせば父親から援助する500万円の全額が非課税となる可能性があります。
ただし、「住宅購入に使うお金なら無条件で非課税になる」わけではありません。贈与を受ける子どもと購入する住宅の両方について、一定の要件を満たす必要があります。それぞれの要件を見ていきましょう。
贈与を受ける人の要件
贈与を受ける人の要件は、次の通りです。
・父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受ける
・贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上である
・合計所得金額が2000万円以下である
・平成21年分から令和5年分までの贈与税の申告で同制度の適用を受けていないこと(一定の場合を除く)
・配偶者や親族などから住宅を取得していない
・贈与を受けた翌年3月15日までに、受け取った資金の全額を住宅の新築や購入などに使う
・贈与を受けた翌年3月15日までに入居するか、その後速やかに入居することが確実である
・原則として、贈与を受けた時点で日本国内に住所がある
なお、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の住宅の場合は、合計所得金額1000万円以下であることが要件となります。
住宅の要件
新築住宅や中古住宅を取得する場合の主な要件は、次の通りです。
・日本国内にある住宅である
・登記簿上の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下である
・床面積の2分の1以上を本人の居住用として使用する
・中古住宅の場合は、昭和57年1月1日以後に建築された住宅、または一定の耐震基準を満たす住宅などである
また、増改築の場合は次の要件があります。
・工事後の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下である
・床面積の2分の1以上を本人の居住用として使用する
・本人が所有し、居住している住宅に対する工事である
・一定の工事に該当することを書類などで証明できる
・工事費用が100万円以上である
・工事費用の2分の1以上が本人の居住部分に使われている
今回の500万円についても、これらの要件を満たせば非課税となる可能性があります。住宅購入のための資金だからとそのまま渡すのではなく、贈与する時期や住宅の条件などを事前に確認しておくことが大切です。
また、非課税限度額内の贈与であっても、適用を受けるためには申告が必要です。贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書を提出する必要があります。
親から子へマイホーム購入資金として500万円援助する場合贈与税がかからない可能性がある
親から子どもへ500万円を渡すと、原則として贈与税の対象になります。ただし、マイホーム購入資金として援助する場合は、「住宅取得等資金の贈与の非課税」を利用できる可能性があります。
要件を満たせば、今回の500万円も非課税となる可能性があります。住宅購入のためなら無条件で非課税になるわけではないため、子どもの年齢や所得、住宅の条件、贈与の時期などを事前に確認しておきましょう。
出典
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和8年度版)財産をもらったとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
