更新日: 2019.03.12 遺言書
遺言書は、遺言者の気持ちを伝え、相続を円滑に進めることができます。
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
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遺言書作成にはルールがある
遺言書は被相続人の意思が反映できるため、財産処分、配分方法などを指示できます。しかし「自宅の土地を長男に、銀行預金は長女に」といった単なるメモ書き程度のものは、遺言書としては扱われません。自分で書くときは、必ず自筆で(パソコンなどはダメ)、書かれた日付を正確に、自分の署名と捺印を忘れずに、といった条件をクリアする必要があります。また必ず1人で書くもので、夫婦共同の遺言書は認められません。
一番新しい遺言書が有効
遺言書は、書いた後に時間が経つにつれ気持ちが変化することもあり、何回でも書き直しが可能です。もし数通発見されたときは、最も新しい日付で書かれた遺言書が効力を発揮します。また相続人の1人または複数が、家庭裁判所の検認前に勝手に見たりすると効力を失います。
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遺産分割協議書をつくる必要はない
もし遺言書がないと、相続人同士で財産をどのように分け相続するのかを話し合い、全員が納得した後に遺産分割協議書をつくり、それに署名・捺印がなければ、手続きは完了しません。しかし、遺言書があれば、遺産分割協議書をつくる必要はなくなり、遺言書の内容に沿って円滑に相続を進めることができます。
極端な内容の遺言書は無効に
例えば、複数の相続人がいるにもかかわらず「全財産を長女に相続させる」といった内容の遺言書は、通常認められません。それは、すべての相続人に遺留分として法定相続分の半分が認められているためです。ですから、この遺留分を侵害しない前提で遺言書が書かれることが大切です。どうしても遺留分を侵害してまで変更したいときには、事前に相続人と話し合い遺留分を放棄してもらう必要があります。
遺言者の気持ちを反映
またとくに「長男夫婦には世話になった」「法定相続人でないが、いくらか形見分けをしたい」といったときには、他の相続人の遺留分を侵害しない範囲で相続額を指定することが可能です。法定相続とは異なる相続させたい場合に、遺言書が有効になります。
遺言書には、なぜこのような財産配分にしたのかという遺言者の気持ちや、希望する葬儀の方法を書くことができます。遺言者の心情を相続人に理解してもらい、より円滑な相続を実現できます。