更新日: 2020.04.06 自動車保険

自動車保険の加入を考えるとき、押さえておきたい3つのポイント

自動車保険の加入を考えるとき、押さえておきたい3つのポイント
前回は、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の補償内容について触れました。その最たる特徴は、公的なものであるため、補償額が民間の自動車保険と比べ少額であるということでした。
 
今回は、一般的に、この自賠責保険ではカバーしきれない部分を補うために加入する、任意の自動車保険についてお伝えしていきたいと思います。
 
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

自動車保険は、実はとても分かりやすい

自賠責保険の補償内容は、対人賠償に限定されていました。これに対し、民間の自動車保険には対人賠償だけでなく、対物賠償、人身傷害、車両保険など、さまざまな補償が付帯されています。
 
自動車保険は、「なんとなくのイメージは分かるけど、内容についてはよく分からない」という方が多いような気がします。実は案外簡単なもので、こんなふうに理解すると自動車保険の全体像が見えやすくなります。
 
(1)対人賠償と対物賠償は、誰かを死亡させた・ケガをさせたとき、誰かのモノを壊したときのごめんなさい料
(2)人身傷害は、車を運転している自分や一緒に乗っている人が、亡くなったり、ケガをした場合の補償
(3)車両保険は、車がへこんだり、傷がついたりしたときの修理代を補償してくれるもの

 
(1)が「損害賠償責任保険」、(2)が「傷害保険」、(3)が「物損保険」を指します。このように覚えておくと、どのような場合に、どの部分から保険金や給付金が支払われるかということがスムーズにイメージできると思います。
 

自動車保険の補償内容を設定する際のポイント

これらの補償には、各保険会社が示している一定の目安があります。それに従って補償内容を設定するのもいいですし、自分なりに考えて「この部分はこの金額にする」といった設定もいいかと思います。
 
ただし、対人・対物については損害賠償責任保険であるため、なるべくなら無制限で用意しておきましょう。人身傷害については、人さまを車に乗せた場合も考慮し、少し多めに金額を設定しておくと安心度がより高まります。
 
また、車両保険についてですが、車両保険の保険金額は、一般的に契約時の時価額で設定されます。新車や自動車の新規登録から間もないほど車両保険に加入しておくメリットが高いため、車両価格が高いうちはなるべく入っておくようにしましょう。
 
他にも、オプションが重要になります。オプションとは、いわゆる「特約」のことです。
 
例えば、自動車事故でもめてしまい、裁判になったときの弁護士費用を補填してくれる「弁護士費用特約」。子どもが店内の置物を壊してしまった場合などに支払う、損害賠償金を補填してくれる「個人賠償責任補償特約」などです。
 
弁護士費用特約は、例えば車を2台所有している家庭であれば、そのうちの1台に弁護士費用特約をつけておくだけで2台目の車もカバーされるという特徴があります。
 
また、個人賠償責任補償特約は火災保険に個人賠償責任補償特約をつけていないご家庭でも、自動車保険につけておけば同様の補償を受けられます。特にお子さんを持つご家庭にとっては安心度が高まるかもしれません。
 

自動車保険の保険料

自動車保険の保険料は、補償内容はもとより、等級や運転者の年齢、運転者を限定するかどうか、走行距離、車の使用目的、車の性能、契約年数、保険料の払い込み方法、保有台数、契約経路(対面・インターネットなど)、所属する組織・団体などによって、さまざまな割引が適用されます。
 
必ずしも、保険料が安ければいいというわけではありません。自動車保険などの損害保険を考える場合、万一のときの損害額が多くなる可能性があるため、保険料だけでなく補償内容についてもしっかりと考慮し、どのように加入するか検討しましょう。
 
今回も含め、全6回にわたり、自動車関連費についてポイントを見てきました。次回は、「車って、家計的にどんな意味を持つの?」について考えていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 

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