更新日: 2020.03.24 その他保険
就職のため学校に通うと受けられる教育訓練給付金とは?(2)
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。
日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。
給付金が2倍に! 特定一般教育訓練給付金制度
2019年10月より、速やかな再就職や早期のキャリア形成に資するとされる講座(特定一般教育訓練)を受講し、修了した場合については、受講のための費用の40%(上限は20万円)が特定一般教育訓練給付金として支給されることになりました。
第1回で取り上げた、通常の一般教育訓練給付金が費用の20%(上限10万円)だったのに対し、その2倍の給付金が受けられるようになります(【図表1】)。
受給のために必要な雇用保険の被保険者(一般被保険者・高年齢被保険者)であった期間(支給要件期間)が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)必要である点。
退職して雇用保険の被保険者でない場合に受給するためには、雇用保険加入資格喪失から1年以内(原則)に受講を開始する必要がある点。
給付金の対象となる費用に含まれるのが入学料・受講料(雇用保険の短期訓練受講費の支給を受けているものを除く)や受講開始前1年以内のキャリアコンサルタントのキャリアコンサルティング費用(上限2万円)である点。
給付金として計算される額が4000円を超えない場合は支給されない点。以上は通常の一般教育訓練給付金と同様です。
特定一般教育訓練給付金の対象となる講座
特定一般教育訓練給付金の対象となる特定一般教育訓練の指定講座として、現在150講座が開講されています。税理士、社会保険労務士、宅地建物取引士といった独占業務のある国家資格の受験対策講座、情報処理技術者試験の講座、介護職員初任者研修などがその中に含まれています。
対象講座について詳しくは、厚生労働省ホームページ等で確認できますので、これから自身の受講する講座が特定一般教育訓練に該当しないか確認してみましょう。
受給のためには事前の手続きも必要
特定一般教育訓練給付金を受けるためには、自身の住所地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に、教育訓練修了証明書、受講にかかった費用の領収書、マイナンバー確認書類、本人確認書類などを添え、修了から1ヶ月以内の手続きが必要ですが、通常の一般教育訓練給付金と異なり、受講開始前に事前の手続きも必要です(【図表2】)。
受講開始1ヶ月前までに、訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受け、「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」に、訓練前キャリアコンサルティングで交付されたジョブ・カード等を添えてハローワークに提出する必要があります。
特定一般教育訓練給付金を受ける場合は、まずは事前の手続きを進めるところから始まるでしょう。
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー