更新日: 2019.01.11 医療保険
「医療保険っていろいろあってわからない」そんなとき知っておきたい2つのポイント
私的な医療保険は自分で選んで備えるものですが、頼りにするためにも適切な内容にしておきたいところです。どのような選び方をすれば良いかポイントを2つに絞ってみました。
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
何の保障があると安心か考える
医療保険は生命保険会社の主力商品であり、非常に多くの保険会社に医療保険が存在しています。生命保険だけでなく一部の損害保険や共済にも医療保険(医療共済)があります。それらの多くの中から選ぶ1つ目のポイントは、どのような保障があると安心できるかを考えることです。安心できる保障を選んでみましょう。
下記の保障は主契約としている医療保険(共済)が比較的多いです。
■入院給付金
病気やケガの治療で入院をした時に受け取れる給付金で、日数に連動するタイプ、日数に連動しない(定額)タイプ等があります。
■手術給付金
病気やケガの治療で手術をした時に受け取れる給付金で、手術の種類によって給付金額が異なるタイプや定額のタイプ、入院中と外来による手術で給付金額が異なるタイプ等があります。
■先進医療給付金
先進医療による治療を受けた時に給付金を受け取れ、先進医療にかかる技術料相当額のタイプと、一時金もプラスして受け取れるタイプがあります。多くの医療保険(共済)には、特約として選択できる保障が多く用意されています。
■通院給付金
病気やケガの治療で通院した時に受け取れる給付金で、給付金額は通院した日数に連動します。入院を伴わない通院は、一部の医療保険を除いて保障の対象になっていません。
■介護給付金
介護が必要な状態になった時に受け取れる給付金で、受給要件は公的介護保険の認定に連動している場合が多いです。同様の保障は介護保険にもあります。
■がん診断給付金
がんと診断された場合に受け取れる給付金で、同様の保障はがん保険にもあります。
■三大疾病給付金
三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)または(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で所定の状態になったら受け取れる給付金で、所定の状態は医療保険によって異なります。同様の保障は三大疾病(特定疾病)保障保険にもあります。
■死亡保険金
死亡したら保険金受取人が受け取れる保険金で、同様の保障は定期保険や終身保険にもあります。医療保険(共済)には、給付金を受け取る保障以外に下記のような機能も用意されています。
■三大疾病保険料払込免除
三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)または(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で所定の状態になったら、以後の保険料を払わずに保障を継続できます。
■健康祝金
一定期間健康状態が良ければ(給付金を請求したことがないか僅かであれば)お祝い金を受け取れます。
■付帯サービス
24時間いつでも利用可能な健康電話相談やセカンドオピニオン等のサービスで、サービス内容や種類は医療保険によって異なります。
これらの保障を「絶対必要な保障」「条件次第で必要な保障」「いらない保障」に分けます。いらない保障以外は次のステップへ進めて検討します。
保険の形を継続していける適切なものにする
2つ目のポイントは、保険期間・保険料払込期間・保障の大きさを考えることです。1つ目のポイントで選んだ絶対必要な保障を中心に考えます。
■保険期間
保険期間は終身が多いですが、他にも10年間や60歳まで等があります。同じ保障内容だと、一般的には保険期間が長ければ長いほど保険料は高くなります。
■保険料払込期間
保険期間と同じ設定(保険期間が終身なら終身払い、10年なら10年払い等)が多いですが、保険期間より短い場合(保険期間が終身で保険料払込期間が60歳まで等)もあります。早めに払えば払う合計額は割安になりますが、一回当たりの保険料は高額になります。
■保障の大きさ
入院給付金日額は千円刻みで設定できる場合が多いです。日額を上げれば保険料も上がるので、必要以上にはしない方が良いです。
最終的には支払う保険料が重要なポイントになります。例えば、絶対必要な保障が「入院・手術・先進医療・三大疾病保険料払込免除」で、保険期間と払込期間は「終身」、保障の大きさは入院が「日額5千円」で他は特にこだわりがないとしましょう。この条件にあう医療保険(共済)を見つけ、その中から保険料の最も割安な保険や、条件次第で必要な保障も付けられる保険を選ぶと、満足度の高い適切な医療保険(共済)になるはずです。
難しいときはプロの手を借りてみても良いでしょう。
※医療保険(共済)の内容は商品ごとに異なり、記載内容があてはまらない場合もあります。詳細については必ず保険会社や保険代理店に確認するようにして下さい。
松浦建二 CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
http://www.ifp.cc/