更新日: 2021.06.17 保険

年金受給者が高額療養費制度を利用した場合、自己負担はどれくらい?

執筆者 : 柘植輝

年金受給者が高額療養費制度を利用した場合、自己負担はどれくらい?
医療費が増大していく老後の年金生活において、医療費の自己負担額に上限が設けられる高額療養費制度の存在は非常にありがたいものです。
 
しかし高額療養費制度は複雑で、具体的に自己負担の上限額がどう決まっているのかなど、詳細については分かりづらいのではないでしょうか。
 
そこで今回は、年金受給者が高額療養費制度を利用した場合の自己負担額について、国民健康保険に加入していると仮定して簡潔に解説していきます。
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは、病院など医療機関や薬局の窓口で1ヶ月当たりに支払った額が一定(上限)額を超えた場合、超えた分の金額が支給されるという制度です。ただし、これはあくまでも通常の医療費の範囲に限られるため、入院時にかかる食事代や、より良い部屋に移るために発生した差額のベッド代などは含まれません。
 
なお、所定の要件を満たしていると後からの給付ではなく、医療機関の窓口に支払う金額自体が上限額までとなる仕組みもあります。本制度の詳細については、必ずお住まいの市区町村役場に問い合わせるようにしてください。
 

年金受給者の自己負担限度額はいくら?

高額療養費制度における自己負担額の限度額は、主に年齢が70歳以上か未満か、そして世帯の所得合計がいくらかによって変わります。場合によっては一定の特例処置を受けられることもあるため、必ずお住まいの市区町村役場に確認するようにしてください。
 

70歳未満の方

70歳未満の方の月額当たりの自己負担限度額は下記のようになります。同居の家族にもよりますが、年金生活者の場合、多くの方において限度額は「所得210万円以下」または「住民税非課税となる収入」」に当たる5万7600円までの区分になるのではないでしょうか。
 

同一世帯の全ての国民健康保険被保険者の基礎控除後の所得の合計 限度額(世帯ごとで計算)
901万円超 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1%
※4回目以降の限度額は14万100円
600万円超~901万円以下 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1%
※4回目以降の限度額は9万3000円
210万円超~600万円以下 8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
※4回目以降の限度額は4万4400円
210万円以下 5万7600円
※4回目以降の限度額は4万4400円
世帯主と国民健康保険加入者全員が住民税非課税となる収入 3万5400円
※4回目以降の限度額は2万4600円

※横浜市 「高額療養費支給制度」より筆者作成
 
ここでいう所得については1月から7月診療分は前々年、8月から12月診療分は前年の所得金額が基準になることに注意してください。
 

70歳以上の方

70歳以上の方については70歳未満の方に比べて少し複雑になります。具体的には、個人単位と世帯単位での上限額が設定されるなどの相違があります。簡単にまとめた表を下記に掲載しておきますが、制度の利用に当たっては必ず市区町村役場にて相談するようにしてください。
 
一般的な年金生活者であれば、現役世代の家族と同居している場合でない限り、住民税非課税、またはいずれにも当てはまらない区分になります。
 

所得要件 外来医療費(個人単位)の限度額 外来+入院(世帯単位)の限度額
70歳以上の国民健康保険被保険者に、住民税の課税所得が690万円以上ある方が1人でもいる世帯に属する方。 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1%
※4回目以降の限度額は14万100円
70歳以上の国民健康保険被保険者に、住民税の課税所得が380万円以上ある方が1人でもいる世帯に属する方。 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1%
※4回目以降の限度額は9万3000円
70歳以上の国民健康保険被保険者に、住民税の課税所得が145万円以上ある方が1人でもいる世帯に属する方。 8万100円+(医療費-26万7000円)×1%
※4回目以降の限度額は4万4400円
住民税非課税世帯 8000円 2万4600円
住民税非課税世帯で、世帯員全員に所得がない世帯(公的年金控除額を80万円とする) 8000円 1万5000円
いずれにも当てはまらない方 1万8000円 5万7600円
※4回目以降の限度額は4万4400円

※横浜市 「高額療養費支給制度」より筆者作成
 

高額療養費制度を利用するには

高額療養費制度の利用は難しいものではありません。国民健康保険加入者の場合、制度の対象となった月から翌々月の下旬ごろに届く「支給申請書兼申立書」に所定の事項を記入し、同封の返信用封筒にて返送するだけで申請が完了します。
 
なお、70歳以上の方については一度申請すると以後は自動振込に切り替わります。具体的な手続きなどについては、市区町村や加入している健康保険組合によって異なる場合があるので必ず確認してください。
 

高額療養費制度は老後の医療費を補助する制度です

高額療養費制度とは、同一の月に支払った医療費の自己負担額が高額となった場合、一定以上が払い戻しされるという制度です。上限額は年齢や収入によって異なる上、今回紹介しきれなかった特例処置もあります。
 
高額療養費制度の利用を考えている方や不明な点がある場合は、早めにお住まいの市区町村役場や加入している健康保険組合に相談するといいでしょう。
 
出典
横浜市 高額療養費支給制度
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ
神奈川県国民健康保険団体連合会 高額療養費制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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