更新日: 2022.01.25 その他保険

健康保険の給付にはどんなものがあるの?

執筆者 : 三藤桂子

健康保険の給付にはどんなものがあるの?
健康保険に加入している人は多くいらっしゃいます。健康保険は実にさまざまな給付を受けられるのですが、すべてを詳しく知っている人は少ないかもしれません。健康保険の給付にはどのようなものがあるのか解説します。民間の保険見直しに役立つかもしれません。

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三藤桂子

執筆者:三藤桂子(みふじけいこ)

社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士

大学卒業後、公務員、専業主婦、自営業、会社員、シングルマザーとあらゆる立場を経験した後、FPと社会保険労務士の資格を取得し、個人事業主から社会保険労務士法人エニシアFP を設立。

社会保険労務士とFP(ファイナンシャルプランナー)という二刀流で活動することで、会社側と社員(個人)側、お互いの立場・主張を理解し、一方通行的なアドバイスにならないよう、会社の顧問、個別相談などを行う。

また年金・労務を強みに、セミナー講師、執筆・監修など首都圏を中心に活動中(本名は三角桂子)。

https://sr-enishiafp.com/

医療保険の種類

日本の医療保険は国民皆保険制度により、手厚い保障を受けることができ、安心・安全に暮らすことができます。医療保険の種類は大きく分けて、自営業やフリーランスの人が加入する国民健康保険、会社員や公務員などが加入する被用者保険、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度があります。
 
健康保険は会社員などが加入する被用者保険であり、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)と組合管掌健康保険(組合健保)があります。
 

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病気やけがをしたとき(療養の給付・療養費)

健康保険の給付には、医療給付(現物給付)と現金給付に分かれます。主な医療給付(現物給付)給付として、療養の給付・高額療養費・高額介護合算療養費・入院時食事療養費・入院時生活療養費・保険外併用療養費・訪問看護療養費などがあり、現金給付には、療養費・出産一時金・埋葬費・傷病手当金・出産手当金などがあります。
 
健康保険は業務災害以外の日常生活病での病気やけがで医療機関を受診すると、窓口で支払う医療費の自己負担額は一部(原則3割)負担で医療給付を受けることができます。これを療養の給付といいます。療養の給付には診察・薬剤・手術・入院・往診などがあります(在宅療養中の場合、療養の給付のほかに訪問看護療養費があります)。
 
療養の給付と似た現金給付に療養費があります。療養費は、療養の給付などを行うことが困難であるときに支給されます。例えば、就職直後で保険証がないときにやむを得ず全額自己負担で受診したときや、治療上の必要からコルセットなどの治療用装具を装着したとき、海外で療養を受けたときなどが療養費にあたります。
 

入院したとき(入院時食事療養費・入院時生活療養費・保険外併用療養費)

入院した場合、前段の療養の給付のほか、療養の給付に含まれていない給付で入院時食事療養費・入院時生活療養費・保険外併用療養費があります。入院には食事療養や長期入院については光熱水費など生活に伴う費用がかかります。食事療養については入院時食事療養費、65歳以上の人は生活療養(食事と生活)として入院時生活療養費がかかります。
 
さらに保険診療と保険診療以外の診療を併用した場合に例外として評価療養、患者申出療養または選定療養を受けたときに保険外併用療養費が支給されます。例えば、先進医療や治験(評価療養)、差額ベッドや時間外診察、紹介状がなく病床200以上の病院での初診(選定療養)などが該当します。
 

高額療養費制度(高額療養費・高額合算療養費)

保険加入の本人(被保険者)または家族(被扶養者)が、単独もしくは世帯合算で1ヶ月の窓口負担額が自己負担限度額を超えた場合に高額療養費が支給されます。高額療養費は医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1ヶ月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給するものです。
 
上限額は、年齢や所得に応じて定められており、いくつかの条件を満たすことにより、負担をさらに軽減する仕組みも設けられています。
 
さらに医療保険と介護保険のどちらも利用する世帯が、著しく高額な自己負担になる場合に負担を軽減する仕組みがあります。医療保険と介護保険の自己負担を合算し限度額を超えた場合は、医療保険と介護保険の制度別に案分計算され、それぞれの保険者から高額介護合算療養費が支給されます。
 

出産育児一時金・傷病手当金・出産手当金・埋葬料(費)

出産育児一時金は、被保険者およびその被扶養者が出産された時に1児につき42万円が支給されます。産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は40.8万円(2021年12月31日以前の出産は40.4万円)となります。 多胎児を出産したときは、胎児数分だけ支給されます。
 
埋葬料は被保険者が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者により生計を維持されて、埋葬を行う人に5万円が支給されます。埋葬料を受けられる人がいない場合は、実際に埋葬を行った人に、埋葬料の範囲内で実際に埋葬に要した費用が埋葬費として支給されます。
 
傷病手当金は被保険者が業務外の事由による病気、またはけがなどにより業務に就くことができない場合に、療養中の生活保障として支給を開始した日から通算して1年6ヶ月(2022年1月1日より)、1日につき直近12ヶ月の標準報酬月額を平均した額の30分の1日相当する額の3分の2に相当する額が支給されます(継続する3日間の待期期間が必要)。
 
出産手当金は被保険者が出産のために会社を休んだとき、事業主から給与が受けられない場合に、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます(支給金額については傷病手当金参照)。
 
健康保険には傷病手当金と出産手当金がありますが、国民健康保険、後期高齢者医療保険制度では任意給付とされているため、支給されるかどうか加入している医療保険で確認が必要です。
 

まとめ

加入する健康保険(健康保険組合)によっては、規約を定めることで独自の付加給付を行うことができます。加入する健康保険の給付内容を確認し、民間の保険の見直しなどに役立ててはいかがでしょうか。
 
出典
厚生労働省「我が国の医療保険について」
全国健康保険協会 ホームページ
 
執筆者:三藤桂子
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士

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