家計の見直しといえば「保険の見直し」 でも、実際に何を見直すの?
配信日: 2018.03.01 更新日: 2019.01.10
結婚したとき、お子様が誕生したとき、住宅を購入したとき、収入に変化があったとき、子どもが独立をしたとき、会社員の人が退職したときなど、さまざまな環境の変化によって、保険の見直しを検討する機会も出てきます。
ご主人が会社員で、40代のパート勤務の永田さん(仮名)も節約のために、ここ1年くらい保険の見直しを検討しているものの、なかなか最適な商品選びに時間がかかり、見直しの実行までは至っていません。
Text:末次祐治(すえつぐ ゆうじ)
FP事務所 くるみ企画 代表
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会)、企業年金管理士(確定拠出年金)。
大学卒業後、旅行会社、外資系生命保険会社勤務を経て、ファイナンシャル・プランナー(FP)として独立。
「老後資金の不安をゼロにする」特に中小零細企業の退職金を大企業、公務員並みの2000万円以上にするというミッションのもと、マネーセミナーや個別相談、中小企業に確定拠出年金の導入支援を行っている。金融商品は出口が大事。「一生のお付き合い」がモットー。
FP事務所 くるみ企画
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自分に適正な必要保障額を見積もってみる
必要保障額という考えは、一家の大黒柱である世帯主(ご主人)が亡くなった場合いくらの保障額が必要か? を検討することです。
一度でも保険の見直しを相談した人なら、聞いたことがあると思います。要は、必要な保障を必要なものだけ、また必要な時期まで用意をしておくことが「適正な保険の契約」といえると思います。
永田さんのご主人は、会社員で万が一の場合は、公的保険から遺族年金が支給されます。また現在の住居は持ち家のマンションで住宅ローンを支払っていますが、団体信用生命保険(団信)に加入しているので住宅ローンの支払いはなくなります。
よって、すでに用意されている公的な保障や支払いが不要になる、住宅ローンなどを差し引いていくら必要かを「毎月単位」で考えればわかりやすいと思います。
今現在、永田さんご自身はパート勤務ですが、収入アップのため勤務時間を延長したり、正社員として勤務することで収入を増やすことができれば、ご主人の死亡時の保障額を減らすことができます。
さらに、住宅ローンの支払いがなくなり、今のマンションを売却して実家や近くに引っ越したりすることも想定しておけば、自分にとっての保障額がより明確になるのではないでしょうか。保障は手厚いほうが安心ですが、その分保険料も高くなるので、不要な保障は意味がありません
商品選びは公的な保障、会社の福利厚生制度、民間の保険商品と一緒に検討する
自分にとっての最適な保障額が見積もれたら、次は商品選びになります。遺族年金など公的な保障と、職場の福利厚生制度も併せて確認しておきましょう。
職場によっては違いが出てきますが、団体保険や共済など民間の保険会社よりも掛金が安い保障を組むことも可能なため、活用できる制度は優先的に活用したほうがいいと思います。
自営業の人などは、商工会や都道府県の共済なども併せて検討されたらいいと思います。
民間の商品では、喫煙の有無、血圧値など健康状態によって保険料が変わってくる商品もあります。
条件があえば、できるだけ安い保険料の会社を選択するほうが家計の見直しにはつながります。各保険会社にさまざまな商品があるので、どれがいいか迷ってしまう人もいるかもしれませんが、保障額と保険料と受取り方など総合的に考えて選ぶといいと思います。
「運用しながら受取っていく」という考え方で保険料をさらに削減!
必要保障額は毎年減っていくものなので、民間の保険会社なら「収入保障保険」が最適と思います
。永田さんも保険の見直しに約1年かかっていますが、その要因は、提案される保険商品が多いことと、相談する代理店や担当者によって保険会社や商品が変わることで「これでいいの?」と迷ってしまい時間が経過した感じです。
保険料は、各社違ってきますがそれほど差はありません。また、商品改定等で保険料など変わっていくので、受け取った保険金を資産運用しながら受取っていくことで、結果的に必要保障額を減らすことにつながり、保険料を安くすることが可能になります。
例えば、2000万円の保険金を一括で受け取った場合、資産運用をしなくて(普通預金に預け入れ)30年間の月で受取れば、毎月の受取額は約5.5万円になります。
仮に3%の運用利回りで運用しながら毎月受取っていった場合だと月に約8.4万円も受け取れることになります。何も資産運用しない場合に比べたら月に2.9万円多く受け取れることになります。
仮に月の受取金額を何も資産運用しない場合の月5.5万円に合わせるのであれば、保険で準備しておく保険金額はおおよそ1300万円で済むことになります。
よって、2000万円を用意するよりも700万円も少なくて済むので、結果700万円分の保険料が安くなることになります。
永田さんのように、商品選びで迷ってしまって、なかなか見直しの実行まで進まない人は、保険金をどう活用していくのか、を併せて考えることで、より保険料を抑えた見直しができるのではないでしょうか。
Text:末次 祐治(すえつぐ ゆうじ)
FP事務所 くるみ企画 代表
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会)、企業年金管理士(確定拠出年金)