更新日: 2019.01.10 その他保険
幼稚園に入るにあたって勧められた子どもの保険は必要ですか?
入学・入園時期になると、新しい新生活に向けて準備を始める人からの相談が舞い込むようになってきます。
今回はこの時期に多い「幼稚園に入るにあたって勧められた子どもの保険は必要ですか?」という質問に回答したいと思います。
Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
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目次
まずは補償の内容を確認
入園・入学のころに勧められる保険は、園児総合保険・子供総合保険・園児24時間総合保険などの名前のことが多いようです。
まずはその保険がどんなものなのか確認しましょう。名称は違っても、入園のころに進められる保険の内容は似ていることがほとんどです。それぞれ小さな違いはありますが、大きくは3つで構成されています。
1.他人にケガをさせたり、物を壊したときなどの個人賠償責任保険
2.契約する親が亡くなった場合などに払われる死亡保険
3.子どもがケガなどで入院した場合の保険
保険料によって、それぞれの補償の手厚さが変わってきます。それぞれどんな内容なのか、気を付けるポイントは何かを確認しましょう。
他人にケガをさせたり、物を壊したときの個人賠償責任保険
一人遊びばかりのころを終えて、友だちと遊ぶようになると、友だち同士でのケガというのはある程度は想定しなければいけません。
本人に悪意がなくても起こりうるものだからです。友だちを押してケガさせてしまった、友だちの持ち物を壊してしまったなどの場合もこの対象となります。
また、子どもは予期せぬ行動をするものです。ボール遊びをしていて窓ガラスを割ってしまった。止まっていた車に傷をつけてしまった。など、法律上の「損害賠償責任」が生じた場合にこの保険は使えます。
この個人賠償責任保険は、1つ入るとその子どもだけではなく一家で使えるものですので、まずは契約しておきたいもの。
ですが、複数入っていてもその分だけ保険が下りるものではありません。すでに家族の誰かの名義で、または自動車保険や火災保険に特約(オプション)として加入していたら二重加入になってしまい意味がありません。
まずはすでにある保険を確認しましょう。
親が亡くなった場合などに払われる死亡保険
その子を育てている扶養者が育てられなくなった場合(死亡・高度障害)などに支払われる、いわゆる「育英費用」と呼ばれるものです。
普通の生命保険と同じようなものです。といっても、一番安いプランの場合掛け捨てで300万円ほどの死亡保険のことが多いようです。子どもが幼稚園に入るからといって、特別に親の死亡保険を多くする必要はありません。
万が一の保険は、今すでに加入している部分で足りているかどうかをまず確認しましょう。そして卒園後、保険が終わったあとはその死亡保険がなくてよいのか、なども総合的に判断しましょう。
ケガなどで入院した場合の保険
こちらはいわゆる傷害保険と呼ばれるものです。ケガなどで入院や通院した場合に日額いくら、などといった形で支給されます。
こちらのチェックポイントとしては、通常の病気での入院などは対象外ということ。また基本的にどこの自治体でも、未就学児は乳児医療証などで保険が適用される医療費はかからないことが多いはずです。
確かに、入院すると保険が適用されるもの以外に、付き添いや入院雑費などの費用も掛かるので、その補填に充てるということもあります。しかし、日額1000円程度の安いプランが必要かどうかは精査したいところです。
どんな場合の補償を想定していますか
幼稚園や保育園の管轄下で、ケガや賠償の事故が起こったときは、通常は園としてかけている事業者用の保険が使われます。
どんな場合のケースを想定してこの保険をかけようと思うのかを考えてみてください。こういった種類の保険は、内容がセットになっているために、必要でないものが入っていた場合は割高感があります。
なんとなく勧められるままに焦って加入するのではなく、一つ一つの内容を確認し、すでにあるものでカバーできないか、自治体の保険でカバーされる範囲はどこなのか、などを確認してから決めるとよいでしょう。
可愛いわが子の入園。不安と期待と入り混じっていることでしょう。保険は安心のために加入するという面もありますが、保険に入ったからといって、不慮の事故を避けるものではありません。
また、すべての不安を保険で解消できるわけではありませんので、冷静に判断できるとよいですね。
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催