更新日: 2022.06.08 保険

水災の補償って必要? 火災保険の保険料値上げの前に知っておくべきこと。

水災の補償って必要? 火災保険の保険料値上げの前に知っておくべきこと。
近年、台風や大雨の影響により大規模な被害が発生しています。国土交通省のデータによると、令和元年の水災(水害)の被害額は約2兆1800億円に上り、統計開始以来最大の被害額となっています。
 
災害は発生してからではなく、事前に対策をしておく必要があります。今回は水災の事前対策として、火災保険について解説します。
 
廣重啓二郎

執筆者:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。

水災保険、単独で加入できる?

洪水など災害が起きた場合、危険が高いと思われる場所を地図上で図示したものを「ハザードマップ」といい、自治体等が発表しています。「ハザードマップ」で水害発生の可能性がある地区は、水災に対する保険の加入を検討する必要があるでしょう。
 
ただし、水災補償を単独で加入できる水災保険はありません。よって、水災の補償を付ける場合は、火災保険に加入する必要があります。補償の対象は建物と家財になります。
 
建物は、住居にのみ使用される建物とその建物に付随する門や塀などが保険の対象です。畳や備え付けの収納などの建具も、建物に該当します。マンションの場合は、住居のみ使用されている建物(専有部分)が該当します。廊下やバルコニーなど共用部分は含まれないことが多いです。
 
家財は、建物内に収容されている家財一式が該当します。なお、高額な貴重品で1個または1組30万円を超えるものは、契約時に明記物件として申告が必要な場合があります。
 

水災とは、どういう災害なの? 保険で補償される?

水災とは、台風、暴風雨、豪雨などによる洪水、高潮、土砂崩れなどにより生じた損害のことをいいます。火災保険の水災補償では、下記いずれかの支払要件に当てはまった場合に損害保険金が支払われます。
 

支払要件 ・再調達価額(*1)の30%以上の損害を受けた場合
・床上浸水(*2)または地盤面(*3)から45cmを
超えて浸水した場合
損害保険金の支払金額 損害保険金(保険金が上限)=損害額-免責金額

(注)上記支払い基準は、保険会社により異なる場合があります。
 
(*1)再調達価額とは、建物や家財と同等のものを新しく建築や購入したりする際に必要となる金額。
(*2)床上浸水とは、建物内のフローリングや畳など床を超える浸水のこと。
(*3)地盤面とは、建物の高さを測るための基礎面。家の基礎の最も低い部分。
 

2022年火災保険の改定について

台風や自然災害による保険金の支払い増加に伴い、2022年10月に火災保険の改定が予定されています。改定の主な内容は下記のとおりです。


・個人向け火災保険の保険料、全国平均10.9%の値上げ
・長期10年契約が廃止で最長5年契約へ(実質的な負担増)

まとめ

水災の補償が必要かどうかを判断するために、まず、住んでいる地区の「ハザードマップ」を確認しましょう。水災の補償が必要だと判断した場合は、以下の点を実施しましょう。


・複数の保険会社の見積もりを依頼し、保険料の比較をすること。

・保険会社ごとに水災時の補償対象となる損害の基準が異なる場合があるので、代理店の担当者に確認すること。

・2022年10月に火災保険が改定されるため、改定前後の保険料の見積もりを比較すること。

・2022年10月から10年の長期契約が廃止になり、最長5年になる見込みのため、保険料の差がどの程度になるか確認すること(10年を長期一括払いにすると1年契約を繰り返すより割引となるため、合わせて確認すること)。

今後、火災保険の保険料は、水害リスクに応じた地区別の料金が設定される見込みです。ハザードマップで豪雨時に「浸水想定区域」に指定されている地区にお住まいの方は、火災保険の保険料が高くなることが想定されます。ぜひ、火災保険の保険料改定の前に確認しておきましょう。
 

参考

国土交通省 令和元年の水害被害額(確報値)
損害保険料率算出機構 火災保険参考純率 改定のご案内
金融庁 火災保険水災料率に関する有識者懇談会
 
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

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