更新日: 2022.06.21 その他保険

犬を飼うときは「ペット保険」に入るべき? 基本的な特徴や必要性を解説

執筆者 : 荒木和音

犬を飼うときは「ペット保険」に入るべき? 基本的な特徴や必要性を解説
ペットショップで犬を買うときに加入を勧められることが多い「ペット保険」。本当に加入しておく必要はあるのでしょうか。ペット保険の基本的な特徴や必要性を解説します。
荒木和音

執筆者:荒木和音(あらき かずね)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

ペット保険とは?

ペット保険は、犬や猫をはじめとするペットが、病気やけがの際にかかる治療費を補償する保険で、損害保険や少額短期保険の一種として販売されています。近年では、鳥や爬虫類(はちゅうるい)などを対象としたペット保険もあります。
 

保障内容・保険料

一定の支払い上限金額の範囲内で、犬が入院や手術、通院をしたときにかかった治療費の50〜70%を補償するタイプが一般的です。
 
飼っている犬が他人の物を壊したり、他人や他人の飼っている犬にけがをさせたりした場合に発生する損害賠償責任に対して補償する「ペット賠償責任特約」を付けられる商品もあります。
 
犬種や犬の年齢、小型犬・中型犬・大型犬などの区分によって異なる保険料が設定されています。
 

保障対象外となるケース

申し込んでから1ヶ月程度の待機期間を設けている商品があります。その場合、契約開始から1ヶ月以内の病気やけがなどに対しては保険金の支払い対象とはなりません。また待機期間後でも、多くの場合、次のような事由については支払い対象外となります。
 

●けがや病気に当たらないもの(去勢手術、避妊手術、歯石取り、耳掃除、肛門腺しぼり)
●予防目的の診療費(狂犬病予防接種、ワクチン接種)
●妊娠や出産に関わる費用
●健康診断費用
●時間外診療費

 

医療費はどのくらいかかる?

人間の場合、公的医療保険制度があるため、病院で実際に自己負担する割合は治療費の1〜3割です。犬の場合には、どのくらいの医療費がかかるものなのでしょうか。
 

人間のような公的医療保険制度はない

大前提として、ペットの治療に関しては公的な医療保険制度がありません。かかった治療費が全額自己負担となります。加えて、動物病院での治療は全て自由診療となるため、受診する医療機関によって治療費が変わることもあるのです。
 

治療費の平均はいくら?

さまざまな角度から、犬が病気になったときやけがをした場合にかかる治療費を見てみましょう。
 
図表1は動物病院に支払う1ヶ月当たりの費用を犬の年齢別に示したものです。高齢になるにつれて治療費がかかることが分かります。年間にかかる費用は13歳以上の場合、約12万円です。
 

 
図表2は動物病院に支払う1ヶ月当たりの費用を犬の種類別に示しています。最も治療費がかかるのは大型犬です。年間に直すと、約11万円となります。
 

 
これらはあくまで平均の数値のため、時には多額の治療費がかかるケースもあります。大型犬の場合、1疾病当たりにかかった治療費の最大金額の平均は7万円、13歳以上の場合には8万円です。また、傷病の種類によっても治療費は異なるため、高額な診療費がかかることがあるようです。
 

ペット保険には加入しておいた方が無難

犬の平均寿命は2019年時点で14.1歳です。平均的な年間治療費を考慮しますと万が一、毎年のように治療が必要になったとしても、ある程度の貯金があればカバーできるため、保険に加入する必要性は高くないように思われます。基本的にペット保険は、高齢になるにつれて保険料も高くなるため、割りに合わないと考える人もいるでしょう。
 
しかし、犬の治療費はまれに高額となる場合があります。何より、治療費は自己負担100%かつ自由診療のため、どれくらいの治療費がかかるのか、予測がつかないのが怖いところです。
 
そのため、少しでも心配であれば、ペット保険には加入しておいた方が無難だといえます。加入できるかどうかは、犬の年齢や健康状態によって決まるため、なるべく早めに検討するのがお勧めです。
 

出典

一般社団法人日本損害保険協会 ペット保険
厚生労働省 医療費の一部負担(自己負担)割合について
公益社団法人日本獣医師会 小動物診療料金
公益社団法人日本獣医師会 家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査 調査結果
 
執筆者:荒木和音
2級ファイナンシャルプランニング技能士

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