「生命保険信託」と「生命保険」は用途に合わせて選ぼう! メリットやデメリットを解説

配信日: 2022.07.13

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「生命保険信託」と「生命保険」は用途に合わせて選ぼう! メリットやデメリットを解説
生命保険信託は、一般的な生命保険と比べますと、受け取るタイミングを契約者の要望に合わせて選べるなど、受取人を考慮した保険商品という特徴があります。
 
本記事は、生命保険信託と生命保険の違いやメリットとデメリットを解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

生命保険信託と生命保険の違い

生命保険は、被保険者が死亡した場合、家族や親族を受取人にできるため、相続対策で活用されることもあります。
 
生命保険信託では、契約者と被保険者が同一で、契約者が死亡した後、信託銀行などが契約者に代わって、生命保険会社に対して保険金を請求します。保険金の支払いは、契約者とあらかじめ定めた内容にしたがって受取人に渡すことになります。また、生命保険の受取人が家族や親族以外に指定できないのに対して、生命保険信託では、家族や親族以外でも受取人として指定することが可能です。
 
例えば、ひとり親で未成年の子どもに保険金を残す場合、他の親族が保険金の管理を行うことも多いでしょう。しかし、親としては自分の子どものために保険金がどのように使われるのか不安に思うこともあります。
 
生命保険信託であれば、毎月受け取れる金額の指定や、教育費に使用することを指定するなど、使用目的を限定させることが可能です。また、契約者と信託銀行との契約に基づいて目的どおりに使われているのか確認も行います。
 
つまり、生命保険と比べますと、生命保険信託の場合、より契約者が求めている使用目的に沿った活用の仕方を信託銀行に依頼することができます。生命保険では受取人を指定すれば、あとは手続きすることで保険金が振り込まれるため、活用の仕方は受取人次第となります。
 

生命保険信託のメリットとデメリット

生命保険信託にはメリットとデメリットがあるため紹介します。
 

メリット

生命保険信託のメリットは、保険金の受取人を指定し、どのタイミングにいくら渡すのかを契約者が決められることです。また、家族や親族に限定されないため、事実婚の配偶者や子ども、自分の家族や親族ではない人を会社の後継者にしたい場合など、広い用途で活用ができます。
 

デメリット

生命保険信託のデメリットは、毎月の保険料以外に「信託にかかる手数料」が必要です。手数料は信託銀行などによって異なるものの、通常の保険料よりも費用がかかることは覚えておくようにしましょう。
 

生命保険信託は活用されるのか

生命保険は、相続対策に活用されることがあります。相続において、不動産が多く現金がない場合や、会社経営者で自社株を1人の子どもに相続させる場合など、どちらも現金がないことで他の相続人との間に不公平感が生じてしまいます。そこで被相続人が生命保険に加入することで、他の相続人に死亡保険金を受け取らせる方法を活用することで不公平感を解消させます。
 
生命保険は、家族や親族に限定した受取人に指定できるからこそ相続対策などに活用が可能です。
 
これに対して生命保険信託は、生命保険の毎月の保険料のほかに信託にかかる手数料もかかるため、活用用途がなければ活用の意味がありません。また、コストに見合う効果があるのかも契約する前に見極める必要があります。
 
生命保険信託の活用方法は、すでにご紹介したように、未成年の子どもといった家族や親族のほか、通常の生命保険にはない家族や親族に限定されないところが大きなメリットになります。そのため、事実婚の配偶者や子どもがいる場合で保険金を残してあげたいなどの場合は、生命保険信託でしか残すことができません。
 
一般的になじみがないものと思われがちですが、生命保険よりも生命保険信託の方が活用できそうだと思われた人は、活用を検討してみてもよいでしょう。
 

出典

一般社団法人信託協会 生命保険信託
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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