更新日: 2022.08.03 その他保険
【あなたの健康保険はどっち?】「健康保険組合」と「全国健康保険協会」の違いを解説!
執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
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2つの健康保険の概要
健康保険組合と全国健康保険協会は、保険証の保険者番号を見ればわかります。冒頭の2桁が「06であれば健康保険組合」、「01であれば全国健康保険協会」です。
健康保険組合(組合健保)
健康保険組合は、「組合健保」とも呼ばれます。健康保険組合は、健康保険組合連合会によると2種類あり、「単一健保組合」と「総合健保組合」です。
単一健保組合は従業員が常時700人以上いる会社が設立でき、例えば「トヨタ自動車健康保険組合」のように企業名のついた健康保険組合となります。
総合健保組合は2社以上で共同設立する健康保険組合で、合計で常時3000人以上の従業員が必要です。総合健保組合は、「東京証券業健康保険組合」のように業種名のついた健康保険組合が一般的です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)
全国健康保険協会は、「協会けんぽ」とも呼ばれます。健康保険組合を設立できない中小企業が主に加入します。都道府県ごとに保険料率が異なり、全国健康保険協会の資料によりますと、9.5%〜10.68%の範囲です。
2つの健康保険の違い
健康保険組合(組合健保)と全国健康保険協会(協会けんぽ)の保障内容は、基本的に変わりません。医療費の自己負担割合は同一です。ただし、負担割合や付加給付の有無は異なります。
健康保険料の負担割合
全国健康保険協会の健康保険料は、会社と従業員が折半して負担します。従業員が負担する保険料率は、標準報酬月額の4.75%〜5.34%です。負担割合は変更できません。
健康保険組合の健康保険料は安定的な運営が可能な水準であれば、設立した会社が自由に決められます。組合によって保険料率には差がありますが、従業員の負担割合が会社の負担割合より低い健康保険組合も存在します。中には従業員が負担する保険料率が3%を下回る組合もありますが5.6%の組合もあり、必ずしも全国健康保険協会より低いとは限りません。
高額療養費や傷病手当金の付加給付
全国健康保険協会の場合、高額療養費制度や傷病手当金は健康保険法の規定通りです。
「高額療養費制度」は所得により異なり、年収400万円程度の人なら「8万100円+(医療費の総額-26万7000円)×1%」です。
「傷病手当金」は連続して4日以上休んだ日数分、最長1年6ヶ月まで支給され、1日当たりの支給額の計算方法は「直近12ヶ月分の標準報酬月額(≒年収)÷12÷30×10分の6」となります。
健康保険組合の場合、組合によっては上記の規定に付加給付があります。高額療養費制度の自己負担分が2万円になったり、傷病手当金の支給期間が最長3年まで伸びたりします。
健康保険組合は組合ごとの格差が激しい
健康保険組合は大企業の健康保険に多いため、保険料が安く保障が手厚いと思われがちですが、実際には全国健康保険協会より保険料が高い組合も存在します。
大企業の健康保険がお得で中小企業の健康保険が損とは言い切れず、組合の経営状態によって保険料や保障には格差がある点に注意しましょう。
出典
健康保険組合連合会 健保組合の設立について
全国健康保険協会 2021年度保険料額表(2021年3月分から)
全国健康保険協会 費用の負担
全国健康保険協会 医療費が高額になりそうなとき
全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種