更新日: 2022.08.03 自動車保険
自動車保険を安くするために「車両保険」を外すべき? 外すタイミングを解説
中でも、自動車保険の保険料で負担を感じやすいのは「車両保険」です。
損害保険料率算出機構の資料によりますと、2020年度に保険会社が支払った保険金1兆7225億円のうち、車両保険は6372億円で、支払総額の約37%を占めます。
私たちが支払う保険料は、保険会社が支払う保険金を基に算出されるため、保険料の中で大きな割合を占める車両保険が高額であることにも納得です。
では、高額な車両保険を外して、毎月支払う保険料を安くする方法はないのでしょうか。どういった条件で外すことを検討するべきか、考えてみましょう。
執筆者:木元泰徳(きもと やすのり)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
車両保険で補償される金額は毎年下がる
そもそも「車両保険」とは、どんな保険なのでしょうか。損害保険料率算出機構によりますと「自分の車が偶然な事故によって壊れた場合や盗まれた場合」に保険金が支払われるとされています。
車両保険を考える上で注意するべき点は、支払われる保険金額に上限があることです。まずは、次に示す3つの場合に適用される「全損」を確認しましょう。
(1)車を修理するために必要な額が、保険価額(車の時価)以上となる場合
(2)修理することができない場合
(3)盗まれて発見できなかった場合
このときに支払われる保険金額は、事故など被害を受けた時点における車の価値が上限になります。このほかに、車を修理するために必要な金額が、車両保険で設定されている保険金額未満となる「分損」の場合があります。この場合は、修理費用の見積金額から免責金額を差し引いた金額が支払われます。
全損でも分損でも、車の時価を超える金額が支払われることはありません。車の使用年数が増えて時価が下がると、補償される保険金額も徐々に下がっていきます。
このため、車両保険の金額に留意しながら自動車保険の見積もりを毎年行うようにしましょう。支払う保険料に対して、車両保険を使う場面でもらえる保険金額が安くなったと感じたときが、「車両保険を解約するタイミング」といえるでしょう。
具体的に、車両保険を外すべきタイミングって?
より具体的に、車両保険を外すタイミングについて考えてみましょう。
1つ目は先述した「車両の時価が安くなったとき」です。
車の時価は毎年下がっていき、保険で補償される金額が低くなります。「支払う保険料に対して保険金額が安い」と思うタイミングで車両保険の解約を検討してみましょう。
保険会社や車種、年式、走行距離などによって車両保険の保険料・保険金額が異なります。毎年見積もりを取って、支払う保険料と万一のときに受け取れる保険金額を把握しておきましょう。
2つ目は「車の使用頻度が低くなったとき」です。
車の使用頻度が低いと、事故など車両保険を利用する場面に遭遇する可能性は低くなるでしょう。発生確率の低い事象に保険料を払い続けず、解約を視野に入れてみましょう。
万一、車両保険に加入していない状態で事故に遭遇してしまっても、使用頻度が元々低い車両です。廃車を機に、車の代わりに公共交通機関やカーシェアリングなどのサービスを検討してみてもよいでしょう。
本当に必要な保険なの?見直しを図ろう
新車を購入したときに加入した車両保険に、惰性で加入し続けていませんか?毎年、自動車の時価は下がり、万一のときに得られる保険金額も下がり続けています。
家計が苦しいと感じるのでしたら、車両保険の解約も検討してみましょう。
出典
損害保険料率算出機構 自動車保険の概況2021年度版(2022年4月発行)
執筆者:木元泰徳
2級ファイナンシャル・プランニング技能士