更新日: 2022.08.07 その他保険
国民健康保険よりもお得? フリーランスにおすすめの文芸美術国民健康保険組合とは?
そんなフリーランスの方におすすめなのが、文芸美術国民健康保険組合です。文芸美術国民健康保険組合は、国民健康保険よりも保険料を大幅に減らせる可能性があります。
この記事では、文芸美術国民健康保険組合とは何か、また国民健康保険と比べて保険料がどれくらい安くなるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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文芸美術国民健康保険組合とは
文芸美術国民健康保険組合とは、デザイナーや動画クリエイター、カメラマンなどのクリエイティブな仕事をしているフリーランスの方と、その家族が加入できる国民健康保険組合です。令和4年の保険料は、図表1のとおり。
【図表1:文芸美術国民健康保険組合の月額保険料(令和4年度)】
組合員 | 2万1100円 |
組合員の家族 | 1万1600円 |
介護保険料 | 5200円 |
※筆者作成
出典:文芸美術国民健康保険組合 保険料について
組合員になるためには、組合加盟の各団体に加入する必要があります。それから文芸美術国民健康保険組合に必要書類を提出して、審査に通過しなければいけません。
加入時の必用書類は、加入申込書や住民票などのほか、確定申告書の控えや作品例などです。組合加盟の各団体は、職種によってさまざまな団体があります。下記に一例をご紹介します。
●日本イラストレーション協会:イラストレーター・グラフィックデザイナーなど
●(公社)日本グラフィックデザイナー協会:グラフィックデザイナー
●日本デジタルライターズ協会:ライター
加盟団体によっては、職務経験の年数が設定されていたり、推薦者が必要だったり、加入するための条件が付いている場合があります。詳しくは、加入を希望する加盟団体に確認してみましょう。
国民健康保険との違い
文芸美術国民健康保険組合と国民健康保険の大きな違いは、保険料です。国民健康保険は、収入が増えると保険料も増えるのに対し、文芸美術国民健康保険組合は収入に関わらず保険料が一定です。
つまり、文芸美術国民健康保険組合は、収入が多ければ多いほどお得になる健康保険といえます。
保険料のシミュレーション
国民健康保険と文芸美術国民健康保険の保険料は、収入によってどれくらい差があるのでしょうか。令和4年度の、介護保険料を考慮していない1人当たりの、文芸美術国民健康保険組合の保険料と、新宿区の国民健康保険の概算保険料を比較してみました。
【図表2:介護保険該当者ではない組合員1人当たりの比較(令和4年度)】
※筆者作成
※加入団体の加入費や年会費は考慮していません
出典:新宿区 令和3年度 国民健康保険料 概算早見表(給与・年金)
1人あたりの保険料をみると、年収300万円だと国民健康保険組合の方が保険料が安いですが、400万円を超えると、文芸美術国民健康保険組合の方が保険料が安くなります。つまり、年収300~400万円が、国民健康保険よりも文芸美術国民健康保険組合の方が安くなるラインだと分かります。
ただし、国民健康保険料は市区町村によって異なるため、場合によっては国民健康保険の方がお得なケースもあるかもしれません。居住している市区町村のホームページで、国民健康保険の保険料を確認しましょう。
また、文芸美術国民健康保険組合の保険料は、年度によって異なります。現時点で文芸美術国民健康保険組合の方が国民健康保険よりもお得な場合でも、今後の保険料の値上げによっては、国民健康保険の方が安くなる可能性も出てくるかもしれません。
国民健康保険が高いクリエイティブ系のフリーランスは、文芸美術国民健康保険組合がおすすめ
会社員だと会社と折半して健康保険料を負担しますが、フリーランスの場合は、国民健康保険料を全額自己負担しなければいけません。国民健康保険料は収入に応じて保険料率が異なりますが、文芸美術国民健康保険組合は、保険料は一律です。
収入が増えてきて国民健康保険料の負担が大きいフリーランスの方は、文芸美術国民健康保険組合を検討してみてはいかがでしょうか。
出典
文芸美術国民健康保険組合 ホームページ
日本アニメーター・演出協会(JAniCA) 日本健康保険料の算出
日本イラストレーション協会(JILLA) ホームページ
(公社)日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA) ホームページ
一般社団法人日本デジタルライターズ協会 ホームページ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部