更新日: 2022.12.06 その他保険
年金の給付額が上乗せされる!? 「社会保険の適用拡大」のメリットって何?
手取りを考えると控除の範囲が拡大されるのはいいことなのか分からないという人もいるかもしれません。そこで、本記事では社会保険の適用範囲が拡大されるメリットについて注目しました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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社会保険で拡大される範囲とは
2020年6月5日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が公布されました。
改正の目的
今回の改正では多様化している社会で長期化している、高齢期の経済基盤を充実させることが目的となっています。労働力の不足、高齢化社会による人口の急速な減少が予想されるなかで女性や高齢者が社会進出しているのが現状です。
将来的には、これまで以上に多くの人が長期間働く可能性が高まっています。こういった変化に対応するために、高齢期の経済基盤を充実させなければならないというのが改正の目的です。
従業員数101~500人までの企業で働くパート・アルバイトの社会保険加入義務
改正前までは、501人以上の企業におけるパートやアルバイトに社会保険の加入義務がありました。2022年10月からは加入範囲が拡大し、101~500人までの企業でもパート・アルバイトの社会保険加入が義務的適用になります。
また、2024年10月からは51~100人までの従業員数の企業でもパート・アルバイトの加入が義務化される予定です。
改正後の加入義務となる対象
従業員数が101~500人までの企業であるという条件に加え、社会保険に加入しなければならないパート・アルバイトの条件が4つあります。加入条件は「1週間の労働時間が20時間以上」「月額の給料が8.8万円以上」「2ヶ月以上雇用される見込みがある」「学生ではない(休学中・夜間学生は加入対象)」です。
社会保険の適用拡大のメリット
社会保険の加入義務の範囲が拡大されたことによって、得られるメリットは以下の内容が挙げられます。
受給できる年金額の増加
厚生年金に加入することになるため、基礎年金に加えて厚生年金も受給できるので受け取れる年金額が増えます。もし、障害が残るけがや病気になった場合は障害基礎年金と障害厚生年金、亡くなった場合には家族が遺族厚生年金を終身で受給することが可能です。
特に、一家の大黒柱として家庭の収入の多くを担っていた場合は、障害厚生年金や遺族厚生年金などが受給できるのは家族にとっても大きなサポートになるでしょう。
健康保険の給付の充実
社会保険に加入する場合、出産や病気・けがなどで休まなければならないときには医療費が給付されることに加え、出産手当金や傷病手当金が給付されます。これによって賃金の3分の2程度の金額を受給できるため、休まなければならない期間の生活も安心です。
法改正によって得られるメリットも
2022年10月から社会保険の加入義務が、従業員数が101~500人までの企業でも適用されます。今後、2024年には従業員数が51~100人までの企業でも適用される予定です。
これによって、将来的に受給できる年金額が増加し、万が一の際に受給できる医療費に加え、出産手当金や傷病手当金を受け取れるようになります。ただ、適用となる加入条件があるため、確認をしておきましょう。
出典
厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部