更新日: 2019.01.10 その他保険

乗るなら検討!?自転車事故による自分を守る為の自転車保険

執筆者 : 田中恭子 / 監修 : 柴沼直美

乗るなら検討!?自転車事故による自分を守る為の自転車保険
自転車が歩行者にぶつかり、ケガを負わせてそのまま逃げ、後日逮捕された事件がありました。自転車に乗っている人は、「車」であるという意識が希薄です。
 
「ひき逃げ」という認識さえなかったのではないでしょうか。監視カメラが今ほどなかった少し前であれば、そのまま逃げおおせてしまった加害者、泣き寝入りをした被害者もかなりいたはずです。
 
他人事ではない、自分も加害者になりうると考えた人も少なからずいたのでは? 自転車に乗っていて何らかの事故を起こしたら、どのように対処したらいいのでしょう。 
田中恭子

Text:田中恭子(たなか きょうこ)

フリーランス・エディター&ライター

北海道大学卒業後、メーカー勤務を経て出版業界へ。自身の経験を生かした旅行、
アウトドア、ライフスタイル、自然などを得意とするが、ジャンル問わず、多方面
で活躍。

柴沼直美

監修:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

車と同じ。救護、通報、賠償の義務

自転車で歩行者にぶつかったり車や物を傷つけたら、基本的に車の事故と同じです。救護義務があり、警察への連絡義務もあり、相応の賠償をしなくてはなりません。
 
「すみません」「大丈夫?」、たとえ「はい」と答えが返ってきた場合でも、すぐに立ち去ってはいけません。
 
ケガがある場合は救急車を呼び、目に見えるケガがない場合でも、あとから不具合が生じることもありますから、連絡先の交換をし、警察への連絡をして調書を作成してもらいましょう。
 
たとえどちらかが急いでいても、こうした初期対応をきちんとしておくことで、あとのトラブルをずいぶんと防止できます。
 

加害者も被害者も守る、自転車保険

2013年、小学生の自転車が女性とぶつかり、女性が意識不明となった事故で、母親に9500万円の賠償命令が出たことが話題になりました。
 
そのほかにも、被害者に後遺症が残るなどで数千万円の賠償認定が出たケースはいくつもあります。
 
これほどの金額を、あなたは払えるでしょうか。払えない場合、強制執行となりますが、それでもこの金額を捻出できる人はそうそういないでしょう。
 
加害者も被害者も守るために、自転車保険への加入をお薦めします。
 
兵庫県を筆頭に、自転車保険の加入義務化を図る自治体が増えています。
 
現在は埼玉県、大阪府、京都府、兵庫県、名古屋市、鹿児島県が義務とし、東京都や千葉県など、努力義務としている自治体も9都県あります。今後ますます増えていくと思われます。
 
多くの保険会社が自転車保険の商品を用意し、安いものはひと月百数十円の保険料で、それでも被害者に1億円の補償をすることができます。
 
自分は気をつけているが、無茶な運転をしている子どもが心配、という人も多いでしょう。18歳以下では契約できないものも多いので、家族みんなが対象となるファミリープランもあります。
 
示談代行や弁護士費用、自身のケガも補償し、なかには壊れた自転車のロードサービスもついているものもあるので、保険料や個々の使用状況と相談のうえ、商品を選びましょう。
 
どれもそう大きな保険料ではありません。1年契約よりも、2年3年となると割安になることが多いです。
 
個人賠償責任保険、傷害保険に入っていれば、自転車の事故もカバーされている場合が多いので、そちらを検討してもいいでしょう。すでにそうした保険に入っている人は、自転車事故の場合どの程度補償されるかを確認しておきましょう。
 

無保険で「車」を運転!? 怖すぎる

無保険では、怖くて車には乗れないという人も多いのではないでしょうか。無保険で自転車に乗るということは、実はそのくらい怖いことなのだということを、一度考えてみましょう。
 
まして小学生が「車」に乗っているのですから。相手の前歯が折れた、高級車をこすったなど、予想以上の高額賠償となることもありえます。
 
なかには歩行者のほうに非があったり、法外な賠償金を請求してくる場合もあります。警察への連絡、保険会社の仲介はそうしたケースから自転車側を守ることにもなります。
 
もちろん、保険に入ったからといって、スマホを見ながら、傘をさしながらなど、危険運転をしてはいけませんよ。保険以前の問題です。
 
最後に、もし自分が被害に遭ったときには、安易に「大丈夫」とは言わず、必ず連絡先を交換し、警察に通報しましょう。
 
自転車の登録番号を記録し、相手が示した携帯番号は、その場で電話をかけて確認するくらいの慎重さが必要です。
 
Text:田中 恭子(たなか きょうこ)
フリーランス・エディター&ライター
 
監修:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

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