どのように決められている? 会社員が払っている社会保険料の計算方法を解説

配信日: 2023.01.18 更新日: 2023.01.19

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どのように決められている? 会社員が払っている社会保険料の計算方法を解説
毎月の給与から差し引かれている健康保険料や厚生年金保険料。その金額はどのような基準で決まっているのでしょうか。今回は会社員等が支払っている社会保険料の計算の根拠や具体的な計算方法を見ていきます。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

社会保険とは

社会保険とは、広い意味で個人事業主やフリーランス等の方が加入する国民健康保険や国民年金などを含んだ社会保険制度も含んだものをいいます。今回はその中で、会社員等が加入する健康保険、介護保険、厚生年金保険について解説します。これらの保険は公的保険であるので強制加入が原則です。
 

社会保険料の計算方法は

社会保険料には、(1)「健康保険料」、(2)「介護保険料」、(3)「厚生年金保険料」の3つがあります。
 
社会保険料は「標準月額報酬」を基にして、保険料率を掛けて算出します。
 
社会保険料は計算をしやすくするために、被保険者が得た給与などのひと月分の報酬をその金額ごとに区分します。その区分を「等級」といい、健康保険は50の等級、厚生年金保険は32の等級に分けられています。毎年4月~6月の給与の平均額を等級に当てはめて「標準報酬月額」を算出し、その年の9月から1年間適用します。
 

(1) 健康保険料

計算方法は「健康保険料=標準報酬月額×健康保険料率」
うち、従業員負担分は半分です。
 
健康保険の運営主体には、全国健康保険協会(協会けんぽ)、健康保険組合(組合健保)の2つがあり、自社等で健保組合を持っている企業等以外は全国健康保険協会に加入しています。
 
保険料率は、全国健康保険協会は都道府県ごとに決まっており、令和4年度の健康保険料率は9.15%から10.65%の間です。東京都場合、介護保険第2号被保険者に該当しない場合は9.81%です。組合健保の保険料率は3~13%の範囲で、各組合が自由に決めることができます。
 

(2) 介護保険料

計算方法は「介護保険料=標準報酬月額×介護保険料率」
うち、従業員負担分は半分です。
 
介護保険の運営主体は全国の各市町村です。協会けんぽは全国一律で毎年変更があり、令和4年は1.64%でした。組合健保の保険料率は、各組合が自由に決めることができます。介護保険料の被保険者支払いは40歳以上の従業員です。
 

(3) 厚生年金保険料

計算方法は、「厚生年金保険料=標準報酬月額×18.3%」
うち、従業員負担分は半分です。
 
厚生年金保険の運営主体は日本年金機構です。厚生年金保険料率は、平成29年以降は18.3%でとなっています。厚生年金保険の加入期間は、会社等で働き始めてから退職するまでですが、上限は70歳となり、70歳以降に厚生年金保険料は発生しません。
 

実際に計算してみよう

東京都の協会けんぽに加入している標準報酬月額30万円の会社員の45歳の場合を例にとってみましょう。この場合、報酬月額は30万円、健康保険は22等級、厚生年金保険19等級になります。
 

健康保険料率:9.81%
健康保険料 :30万円×9.81%= 2万9430円
従業員負担分:2万9430円÷2=1万4715円・・・(1)
 
介護保険料率:1.64%(40歳以上ですので必要です)
介護保険料 :30万円×1.64%=4920円
従業員負担分:4920円÷2=2460円・・・(2)
 
保険料率    :18.3%
厚生年金保険料:30万円×18.3%=5万4900円
従業員負担分 :5万4900円÷2=2万7450円・・・(3)

 

年金がいくらもらえるのかも気になりますが・・・

今回は社会保険料の計算方法を主に見ていきました。今払っている年金保険料より将来もらえる年金額のほうが気になるという方もいらっしゃると思いますが、今の生活を考えると可処分所得を考える上で毎月いくら払っているかを知っておく必要があります。
 
また、今後法改正などで保険料率等が変更する場合も考えられますので、最新情報を確認することも大切です。
 

出典

全国健康保険協会 ホームページ(都道府県毎の保険料率)

 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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