賃貸用火災保険の選び方は? そもそも自由に選べるの?
配信日: 2023.02.08
賃貸住宅向けの火災保険は、持ち家向けの火災保険と何が違うのか、どうやって選べばよいのか、そもそも自分で自由に選べるのか、気になる疑問について解説します。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
賃貸用の火災保険とはどんなもの?
賃貸に住んでいる人向けの火災保険は、主に以下のような内容で構成されています。
●家財の補償……家の中の物が火災や台風などの自然災害、盗難などの被害に遭ったとき
●借家人賠償責任補償……借りている部屋を損壊して大家さんへの賠償が必要になったとき
●個人賠償責任補償……他人の物を壊したり他人を傷付けたりして賠償が必要になったとき
「火災保険」という名前ですが、実は火災のとき以外にも役立ちます。上記の3つだけでなく、地震のリスクに備えるための「地震保険」や「特約(オプション)」を追加でセットして手厚くカバーしている人もいます。
持ち家用の火災保険と違い、建物自体の補償はありません。建物を守る保険には、建物を所有している大家さんが加入しています。
その代わり、持ち家用の火災保険にはない「借家人賠償責任補償」が付いているのが賃貸用火災保険の特徴です。
もし自分の部屋で火事が起きてしまった場合、被害や賠償の金額は1000万円単位になることも。たとえ確率は低くても、一度発生すれば家計に大打撃を与える可能性が高いので、保険で備えておくべきともいえます。
賃貸用の火災保険は自分で選べる?
賃貸向けの火災保険は、保険会社やプランごとに補償内容や保険料が異なります。うまく選べば、保険料を安く抑えられるかもしれません。
しかしなかには、大家さんや不動産会社が「○○保険会社の△△プランに加入してください」などと指定していて、選択肢が実質ないケースもあります。自分で選んで加入できるかどうか、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
賃貸用の火災保険の選び方
賃貸用の火災保険を自分で選べる場合、いくつかの保険会社で見積もりを取って比較してみるのがおすすめです。建物の構造などによって保険料が変わってくるので、同じ条件でそろえて試算してみましょう。
●どんなときにお金を受け取れるのか
●家財の補償、借家人賠償責任補償、個人賠償責任補償がいくらまで補償されるか
●家財の補償はいくら必要か(家の中にある家電・家具・日用品などの総額を目安に検討)
●個人賠償責任補償が必要かどうか(自動車保険などにセットされていると重複してしまう)
●地震保険を付けるかどうか
●大家さんなどから指定された条件を満たしているか
など
難しく感じるかもしれませんが、複数社の内容をよく比較すれば何がどう違ってどれくらい保険料の差があるのか見えてきます。せっかく加入して保険料を払い続けるなら、納得できる保険を選びたいですね。
まとめ
賃貸向けの火災保険は基本的に、借りている部屋やそこに置いている自分の所有物に何かあったときや、まわりに迷惑をかけてしまったときに備えられる内容になっています。
「大家さんなどに指定された火災保険にそのまま加入している」という人も多いですが、自分で選べば保険料を抑えられるかもしれません。また、どんなときにお金を受け取れるのかしっかりと確認しておけば、「請求漏れ」を防いで保険を有効に活用できるでしょう。
自分で選んで加入できるかは確認が必要ですが、もしできない場合には、新規加入や更新のタイミングで大家さんや管理会社に相談してみるのも1つの方法です。
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表