更新日: 2023.02.10 その他保険

あちこちで耳にする「共済」。共済って生命保険とはどう違うの? メリットは?

あちこちで耳にする「共済」。共済って生命保険とはどう違うの? メリットは?
TVCMなど、さまざまな場面で「共済」という言葉を見たり聞いたりしたことがある人は多いでしょう。もしかしたら、生命保険の一種だと思っている人もいるのではないでしょうか。
 
実は、共済は生命保険とは似て非なるものです。本記事では、共済の仕組みや特徴、生命保険との違い、メリット・デメリットをまとめました。共済について正しく理解して、加入を検討する際に役立ててください。
FINANCIAL FIELD編集部

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共済は相互扶助の保障制度

共済には、お互いに助け合うという意味があります。保障制度としての共済は、生活のなかの事故によって生じた経済的な損失を補てんする、相互扶助の制度です。
 
共済の事業は主に、農協や生協、労働組合、漁協など、一定の地域や職域などが構成する団体が行っています。組合員が一定の「共済掛金(拠出金)」を出し合って共同の財産としてプールし、事故などが発生した際に共済金を支払って経済的な損失を補てんする、というのが共済の仕組みです。
 
共済には、生活のなかで発生するさまざまなリスクに備えるものがあります。主な種類は次のとおりです。共済団体によって、取り扱う共済種類は異なります。
 

■火災共済

火災や落雷、爆発などによる建物や家財の損害を保障する共済。自然災害による損害を保障するものもあります。
 

■生命共済

人の生命や身体に関するリスクに備える共済です。死亡、後遺障害、病気・けがの医療費、教育資金などを保障するものがあります。
 

■傷害共済

事故による死亡やけがを保障する共済です。
 

■自動車共済

自動車事故による賠償や加入者や家族の傷害、自動車の損害などを保障する共済です。
 

■年金共済

老後資金に備える共済です。積み立てた共済金を年金方式で受け取れます。
 

共済と生命保険の仕組みや制度の違い

加入者からお金を集めて万が一の際の保障を提供するという基本的な仕組みは、共済と保険で共通しています。また、さまざまなリスクに備える多様な種類がある点も同じです。
 
しかし、制度の詳細を見ると、共済と生命保険にはいくつかの違いがあります。主な違いは、図表1に挙げた3つです。
 
【図表1】

共済 生命保険
事業の目的 組合員自らによる運営によって組合員に最大の奉仕の提供すること(非営利事業) 出資者(株主)への配当を最大にすること(営利事業)
加入対象者 原則として組合員や家族 不特定多数
事業の根拠となる法律 共済事業を運営する各団体の関係法令にもとづく(JA共済⇒農業協同組合法、生協や労働組合の共済⇒消費生活協同組合法など)。
共済と加入者間の権利義務に関する基本ルールは、共済・保険に共通する「保険法」にもとづく
保険会社と加入者間の権利義務に関する基本ルールは、共済・保険に共通する「保険法」にもとづく

筆者作成
 

共済のメリット・デメリット

共済は生命保険とよく似た仕組みですが、生命保険にはないメリットやデメリットがあります。共済商品の契約を検討するときには、共済の仕組みと同時にメリット・デメリットもきちんと理解して、同じような保障内容の生命保険とも比較してみることが大切です。
 
以下で、共済のメリットとデメリットについてそれぞれ具体的に見てみましょう。
 

共済のメリット

共済の主なメリットは、次のようなものです。

・掛金が比較的安い
・掛金がずっと変わらない
・保障内容がシンプル
・余剰金の割戻制度がある

共済は非営利事業であることから、生命保険の保険料などと比べると掛金が割安なのが一般的です。また、同じ保障内容であれば、年齢などの状況で掛金が変動しないため、リスクが高い人も低い負担で保障を受けられます。
 
保障内容や掛金の設定基準が、シンプルで分かりやすいのも共済のメリットです。内容の理解に頭を悩ませたり、保障範囲の思い違いをしたりする心配がありません。
 
また、余剰金の割戻制度があることが、共済の大きな特徴です。決算時に出た余剰金が毎年割戻金として組合員に還元されるため、掛金負担の軽減に役立ちます。
 

共済のデメリット

共済の保障内容がシンプルな点は、人によってはデメリットになる可能性があります。最低限の保障範囲にとどまる商品が多く、頼りなく感じられるかもしれません。
 
また、あらかじめ保障内容がセットになっている場合が多く、保障AとCだけ付けてBは省くといった融通が利かない場合もあります。ニーズに合わせて保障をカスタマイズしたい人には、向かない可能性があるでしょう。
 

共済は組合員が掛金を出し合い助け合う仕組み

共済は、組合員が出し合った掛金を万が一の際の共済金として支払い、経済的な損失を補てんする相互扶助の仕組みです。組合員やその家族を対象とする非営利の事業であり、不特定多数が対象の営利事業である保険とは異なります。
 
共済には、掛金の安さや余剰金の割戻制度などのメリットがありますが、場合によっては保障内容のシンプルさがニーズに合わない可能性があります。加入前には、保険とも比較しながら、自分に合っているかどうかよく検討することが大切です。
 

出典

JA共済 そもそも「共済」って何ですか?
こくみん共済 coop 全労済 共済とは?
一般社団法人 日本共済協会 共済について 共済の種類
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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