学資保険の祝い金や満期保険金は受け取り方によって税金が変わる? 賢い受け取り方とは?
配信日: 2023.02.12
本記事では学資保険とはどのような保険なのか、選び方のポイントなども踏まえつつ、学資保険の受け取り方と税金の違いについて解説します。子どもの将来のために学資保険に加入しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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学資保険とは
学資保険とは子どもの教育資金を準備するための保険であり、「貯蓄型保険」の一つです。入学や進学時のタイミングで保険金をまとめて受け取る、もしくは年金のように分割して受け取るなど受け取り方を選べる点が特徴です。
学資保険は多くの保険会社で商品を取り扱っているため、選び方のポイントが分からない方も多いでしょう。そこで、まずは学資保険の選び方について見ていきましょう。
学資保険の選び方のポイント
学資保険を選ぶうえで大切なポイントは、主に次のとおりです。
・保険の種類や保障内容
・返戻率
・月々の保険料
・保険料の払い込みや受け取りの時期
・満期時に受け取る金額
学資保険を選ぶうえで重要となるポイントが「返戻率」です。「返戻率」とは支払った保険料に対して、将来いくら保険金を受け取れるかの割合を示したものです。
また、保険金を中学や高校の入学に合わせて受け取るのか、大学卒業時にまとめて受け取るのかなど保険金を受け取るタイミングは、家庭の経済状況や今後のライフプランなどに合わせて決めましょう。
学資保険の受け取り方による税金の違い
学資保険は自身で保険金を受け取るタイミングが選べますが、受け取り方によって「一時所得」か「雑所得」と所得の種類が変わります。
一時所得と雑所得ではどのような違いがあるのか、保険金の受け取りタイミングはどちらがよいのかについて解説します。学資保険の受け取り方について悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
一時金として受け取った場合
学資保険を中学や高校、大学などの入学にあわせて祝い金として受け取る場合や、大学卒業時に満期保険金を一括で受け取る場合は「一時所得」として扱われます。
一時所得とは名前のとおり「一時的な所得」であり、継続する所得とは異なります。一時所得の金額は、次のように計算します。
・総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
一時所得の2分の1にあたる課税所得金額を給与所得などの他の所得金額と合計して、総所得金額をもとめたあとで所得税額を計算します。
学資年金として受け取った場合
塾通いなどで毎年教育費がかかる、1年単位で計画的に使いたいなどという理由で、保険金を年金のように分割して受け取る場合は、「雑所得」として扱われます。
「雑所得」とは、給与所得や事業所得など9種類ある所得に該当しない所得のことをいいます。雑所得の金額は、次のように計算します。
・総収入金額-必要経費=雑所得
ここで気を付けたい点が、雑所得には特別控除額がない点です。一時所得は最高50万円までの特別控除がありますが雑所得にはありません。この点が税額に大きく影響する可能性があるため気を付けましょう。
雑所得は特別控除がない点に気を付けること
学資保険の保険金を受け取る際に、中学や高校の入学祝い金としてや大学卒業時に満期保険金として受け取る場合は、一時所得となります。
一方、毎年年金のようにお金を受け取る場合は、雑所得として扱われます。したがって、保険金の受け取り方で税金が変わる点に気を付けなくてはいけません。
一時所得の場合は最高50万円までの特別控除があり、さらに課税対象となるのは一時所得金額の2分の1です。雑所得には特別控除などがなく納税額が変わる可能性があります。
一括で受け取るほうが一般的かもしれませんが、塾にお金をかけたい、家庭の経済状況が厳しいなど、状況に応じて受け取り方を決めるのがよいでしょう。
出典
国税庁 No.1490 一時所得
国税庁 No.1500 雑所得
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部