健康保険と国民健康保険は何が違う? 保障内容の違いなどを解説

配信日: 2023.02.20

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健康保険と国民健康保険は何が違う? 保障内容の違いなどを解説
「健康保険」と「国民健康保険」、どちらも公的医療保険ではあるものの、対象者や保障内容、保険料負担などさまざまな違いがあります。本記事では、まず日本の医療保険制度の仕組みを解説したうえで、両者の違いを比較します。
 
特にこれから個人事業主やフリーランスとして独立する人は、両者の違いを理解していないと後々困る可能性があるので、ぜひチェックしておきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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日本の公的医療保険制度は「国民皆保険」

公的医療保険制度とは、病気やけがの治療などにかかる医療費の一部を公的な機関が負担する制度のことです。医療機関の窓口での医療費負担は原則3割ですが、このように少ない負担で治療が受けられるのは、公的医療保険制度があるからです。
 
現在の日本の公的医療保険制度は、「国民皆保険制度」を採用しています。以前は国民のおよそ3分の1が公的医療保険制度に未加入という状態でしたが、1961年に国民皆保険制度が実現してからは、全国民が何らかの公的医療保険制度に加入することが義務付けられています。また、2008年からは75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度が始まりました。
 
公的医療保険制度には大きく分けて、会社員や公務員が加入する「健康保険(健保/被用者保険)」と「国民健康保険(国保)」があります。それぞれの違いを見ていきましょう。
 

健康保険(健保)と国民健康保険(国保)の違い

健康保険と国民健康保険には、図表1のような違いがあります。
 
図表1
 

健康保険
(健保/被用者保険)
国民健康保険
(国保)
対象者
(保険に加入する人)
会社員・公務員とその扶養家族
(要件を満たしたアルバイト・パートなども対象)
個人事業主、退職者、無職者など
(健康保険や後期高齢者医療制度の対象となる人以外)
医療費負担 原則3割
(小学生~70歳までの場合)
原則3割
(小学生~70歳までの場合)
保険料負担 雇用主と折半 全額自己負担
扶養家族の保険料 かからない
(扶養家族の人数によって保険料は変わらない)
かかる
(別途、国民健康保険に加入)
保険料の納付 給与から天引き 自ら納める
傷病手当金 あり なし
出産手当金 あり なし

 
※筆者作成
 
対象者だけでなく、保険料の負担や納め方、傷病手当金・出産手当金といった保障内容にも違いがあることが分かります。
 

加入している保険の保障内容を理解しよう

図表1の対象者から分かるように、会社員や公務員は健康保険、個人事業主は国民健康保険に加入します。そのため、会社を辞めて個人事業主やフリーランスになる人は、両者の違いを十分理解しておく必要があります。
 
特に、保険料負担には大きな差が出てきます。健康保険と国民健康保険では保険料の計算方法が異なるため一概にはいえませんが、国民健康保険は全額自己負担となるため、健康保険より保険料が高くなる可能性があります。
 
また、国民健康保険には「扶養」という概念がないため、養っている配偶者や子どもがいても、家族全員それぞれが国民健康保険に加入して個々の保険料を納めなければなりません。
 
また国民健康保険には、病気やけが、出産で会社を休んだときにもらえる「傷病手当金」「出産手当金」がないという点も注意が必要です。国民健康保険は健康保険に比べて保障が手薄になるため、個人事業主やフリーランスは貯蓄や民間の就業保険などで備える必要があります。
 

まとめ

名前が似ている健康保険(健保)と国民健康保険(国保)ですが、主に保険料や保障内容に大きな違いがあります。個人事業主やフリーランスとして独立を考えている人は、本記事で紹介したような違いを理解しておくことが大切です。
 
また、健康保険には退職後も最長2年までこれまでの健康保険に引き続き加入できる、「任意継続」という制度があります。保険料は全額自己負担になりますが、任意継続制度に加入している期間は保険料が変わらない、扶養家族の保険料がかからないというメリットもあります。
 
退職や独立を予定している会社員・公務員の人は、このような制度とも比較検討するとよいでしょう。
 

出典

公益社団法人日本医師会 国民皆保険の歴史

厚生労働省 日本の国民皆保険制度の特徴

一般社団法人公的保険アドバイザー協会 働き方などによって異なる健康保険制度

厚生労働省 従業員数500人以下の事業主のみなさまへ 法律改正によりパート・アルバイトの社会保険の加入条件が変わります。

全国健康保険協会 協会けんぽ 傷病手当金

全国健康保険協会 協会けんぽ 出産で会社を休んだとき

全国健康保険協会 協会けんぽ 健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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