更新日: 2023.02.22 医療保険

頼りになるのは貯蓄より保険? 「三大疾病保険」を選ぶチェックポイントは?

頼りになるのは貯蓄より保険? 「三大疾病保険」を選ぶチェックポイントは?
誰にでもかかるリスクがあり、身体的にも金銭的にも大きなダメージを被ることが予想される「三大疾病」に、経済面だけでも備えたいと考える人は多いでしょう。保険に加入するべきか、保険料を節約して貯蓄を増やしておくべきか、と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、三大疾病にかかったときの経済的な負担の実態を解説するとともに、三大疾病に備えられる保険の特徴や選び方のポイントを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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貯蓄だけでは不安……三大疾病にまつわる経済的負担の実態

「がん(悪性新生物)」「心疾患」「脳血管疾患」の3つの疾病を指して、三大疾病といいます。三大疾病に罹患(りかん)した場合、治療期間が長引く傾向があることや、保険適用外の治療が必要となるケースもあることから、治療費の負担が大きくなりがちです。
 
また、治療中は病気になる前と同じように働けなくなり収入が減る可能性が高いことから、よほど潤沢な貯蓄がないかぎり、普段の収入や貯蓄だけでは出費に対応するのが難しくなることが考えられます。
 

保険適用外の費用が高額になることがある

保険適用の治療であれば、医療費の負担が大きくなっても、高額療養費制度を利用して負担を軽減できます。しかし、三大疾病の治療では、いわゆる先進医療など、保険が適用されない医療技術が用いられることが珍しくありません。
 
例えば、厚生労働省の資料「令和3年6月30日時点における先進医療に係る費用」によると、がん治療などの放射線治療1件あたりの平均技術料は、陽子線治療が約265万円、重粒子線治療が約319万円です。このほかにも入院費用や診療費、薬剤の費用などがかかることを考えると、多くの人にとって非常に大きな負担となるでしょう。
 

罹患者の7割が収入減少

スマートスキャン株式会社(東京都中央区)が2022年8月に実施した「疾病罹患の経済的リスク」に対する実態調査の結果によると、三大疾病に罹患した人1057人のうち約7割が罹患前と比べて収入が減少しています。「三大疾病にかかったら収入は減るもの」と想定して、備える必要があるでしょう。
 
また、同調査によると、減収した期間が10年以上におよんだという人も1割程度いることから、減収が一時的なものでは済まない可能性も考える必要があります。
 

三大疾病による出費や収入減少に備えられる保険に入ると安心

三大疾病にかかった場合、通常の医療保険でも保障を受けられます。しかし、三大疾病にかかったときに手厚い保障を受けられる「三大疾病保険」やがんに備える「がん保険」、収入の減少に備える「収入保障保険」などに加入しておくことで、経済面の不安をより一層軽減できるでしょう。
 
三大疾病保険と収入保障保険の特徴を、以下で紹介します。
 

三大疾病保険

三大疾病保険は、三大疾病に罹患し各保険会社が定める給付条件を満たす状態になったときに、保険金を受け取れる保険商品です。保険金が一時金として給付されるタイプや毎月一定額が給付されるタイプ、亡くなったときに家族が保険金を受け取れる死亡保障が付いたタイプなど、商品によって給付方法や保障範囲はさまざまです。
 
また、三大疾病にかかったときに保険料が免除される「三大疾病保険料払込免除特約」が用意されていることもあります。
 

収入保障保険

収入保障保険は、一般的には契約者が死亡や高度障害状態になったとき、家族などに対して保険金が給付されるものです。しかし、保険会社のなかには三大疾病に罹患し所定の状態となった場合を保障の対象とする収入保障保険(特約)を提供しているところもあります。
 
収入保障保険に加入しておくと、いざというときに年金式で保険金が受け取れるため、三大疾病にかかったことで減少した収入の補てんが可能です。また、一般的な収入保障保険のなかにも、三大疾病により所定の状態になった場合を対象に、保険料の払い込みを免除するものや年金が支給されるものがあります。
 

三大疾病保険を選ぶときのチェックポイント

三大疾病保険への加入を検討するときは、主に次のポイントをチェックしましょう。
 

●保険金が支払われる要件
●保険金の給付回数

 
三大疾病保険の保険金支払い要件は、保険商品によって異なります。対象とする疾病の範囲や、診断や手術、入院など、どの段階から保険金を請求できるのかなど、詳しい条件を確認しましょう。対象の疾病にかかってから保険金が請求できるようになるまでの日数や、保険が発効するまでの免責期間もチェックしておきたいポイントです。
 
保険金の給付回数も、1回限りのもの、所定の回数まで複数回受け取れるもの、無制限のものなどさまざまなタイプがあります。自分がどのようなかたちで保障を受けたいのかに合わせて、ニーズを満たすタイプを選ぶことが大切です。
 

三大疾病の備えには保険が頼りになる

三大疾病にかかると、治療費が高額になったり収入が減少したりと、経済的に大きな負担がのしかかることが考えられます。貯蓄だけで対応するのは困難になる可能性があるため、三大疾病に備えられる保険に加入しておくと安心です。三大疾病保険に加入するときは、保険金が支払われる要件や、受け取れる回数などをチェックして、自分の希望する保障内容を満たす商品を選びましょう。
 

出典

全国健康保険協会 協会けんぽ 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)

厚生労働省 【先進医療A】令和3年6月30日時点における先進医療に係る費用

スマートスキャン株式会社 三大疾病罹患後の経済的リスク調査

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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