更新日: 2023.03.22 その他保険
失業保険がもらえる条件とは? 手続きはどうすればいい?
では、雇用保険の基本手当はどのような人がもらえるのでしょうか。この記事では、基本手当がもらえる条件と手続き方法について解説します。
執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。
失業保険(基本手当)はどんな人がもらえる?
失業保険すなわち雇用保険の基本手当を受け取れる人の条件は、以下のとおりです。
・失業の状態である
・求職の意思・能力はある
・ハローワークに行き求職の申し込みを行った
・離職の日から数えて過去2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある
(特定受給資格者や特定理由離職者は離職の日から数えて過去1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して6ヶ月以上ある)
なお、被保険者期間の数え方については、離職日から1ヶ月ずつ区切った期間を1ヶ月とし、11日以上勤務しているか、80時間以上勤務している月を被保険者期間とします。また、特定受給資格者とは、簡単にいうと倒産や解雇などの勤め先都合で退職した人のことを指します。
失業保険(基本手当) 対象外の人とは?
基本手当の受給対象外の人は、以下のような人です。
・会社役員・自営業などのため雇用保険に加入していない、加入していなかった
・病気・けが、妊娠・出産・育児のためすぐには就職できない
・定年退職し、就職の意思がない
・結婚後、専業主婦希望で就職の意思がない
「自分の働き方が基本手当の支給対象なのかどうか分からない」という人にとって、最も分かりやすい判断基準が雇用保険料を払っていたかどうかです。
また、病気やけがで働けないときには、健康保険の傷病手当金、妊娠出産および育児の際には、出産手当金、育児休業給付といった制度があります。
定年退職後は、現役時代に年金保険料をしっかり納めてきた人であれば、年金受給開始年齢に公的年金を受け取れます。各制度について、知らないがゆえに受給し損ねてしまわないように注意しましょう。
基本手当受給の手続きの流れ
基本手当を受け取るための手続きは、以下の手順になります 。
1. 管轄のハローワークに求職の申し込みを行い、雇用保険被保険者離職票(-1、2)の提出をする
2. 7日間の待期期間後、雇用保険受給者初回説明会に出席
3. 失業の認定
4. 受給
失業したからといって、自動的に基本手当が振り込まれてくることはありません。手続きが必要であることを覚えておきましょう。
基本手当の金額
基本手当の受給金額の計算方法は以下のとおりです。
1. 離職日の直前6ヶ月の賃金(賞与を除く)を180で割り「賃金日額」を出す
2. 賃金日額に一定の割合を乗じる(一定の割合:50〜80%、60〜64歳は45〜80%)
なお、基本手当の受給額には上限が設けられています。例として2022年8月1日時点の基本手当日額の上限額を図表1に記載します。
図表1
<基本手当日額の上限>
30歳未満 | 6835円 |
30歳以上45歳未満 | 7595円 |
45歳以上60歳未満 | 8355円 |
60歳以上65歳未満 | 7177円 |
※ハローワークインターネットサービス 「基本手当について」より筆者作成
基本手当の受給日数
基本手当の受給日数は図表2のとおり、大きく3つに分かれています。実際に自身がどの分類に当てはまるかは、公共職業安定所に相談をしてみましょう。
図表2
※ハローワークインターネットサービス 「基本手当の所定給付日数」より筆者作成
まとめ
失業保険といわれる雇用保険の基本手当は、失業者全てが受け取れるわけではありません。受給金額も生活水準によっては十分とはいえないでしょう。収入を安定させるためには、働くことがベストであるということはいうまでもありません。
日本には、介護、育児、病気などの休業中をサポートする制度もありますので、「会社を辞める」という選択をする前に、使える制度がないかをよく調べてみることが大切です。
出典
ハローワークインターネットサービス 基本手当について
ハローワークインターネットサービス 雇用保険の具体的な手続き
ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)