更新日: 2023.03.30 その他保険
終身保険や学資保険はインフレに弱い? 生命保険のインフレリスクとは?
本記事では、生命保険におけるインフレリスクの特徴と、そのリスクを回避するための対策について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
まずは終身保険と学資保険についておさらい
生命保険とは、生きていくうえで起こるかもしれない、さまざまなリスクに備えるための金融商品です。しかし、保険料を払っているにもかかわらず、インフレになると保険金だけでは必要な金額が不足してしまうリスクもあるため、インフレリスクを理解したうえで契約することが重要です。
この項では、生命保険のなかでもインフレリスクが高い傾向にある、終身保険と学資保険の特徴について再確認します。
終身保険とは
終身保険は、一定額の死亡保障や高度障害保障が一生続く、生命保険の一種です。つまり、対象者が死亡した場合には、受取人があらかじめ定められた金額の保険金を受け取れます。
また、病気やけがが原因で身体の一定の機能が重度に低下する、いわゆる高度障害になった場合も、保険金の受け取り対象となる場合があります。金額や保障の対象となる内容は、終身保険の種類によって異なります。
学資保険とは
学資保険とは、将来的に必要になる可能性がある子どもの学費に備えるための生命保険です。大学に必要な学費に備える保険をイメージする人が多いかもしれませんが、中学や高校入学にも備えられます。
保険料を払い込む期間や金額は、学資保険の種類によって異なります。また、保険料の受け取り時期も学資保険の種類によって異なるため、よく検討して加入することが大切です。
保険とインフレの関係
「インフレ」とは、物価が上昇し続ける状態のことを指します。その逆が「デフレ」です。ずっと物価が変わらない状態であれば、将来必要なお金を予測しやすいかもしれませんが、インフレやデフレになることもあり、備えることは意外と大変です。
インフレが、金融商品である保険に影響を及ぼすことは避けられません。そこで本項では、インフレと保険の関連性について解説していきます。
終身保険や学資保険がインフレに弱いといわれる理由
一般的に、終身保険や学資保険はインフレで物価が高くなったとしても、保険金の支払額に影響はなく、契約時の金額のままです。これらの保険で支払われる金額は、将来のインフレを考慮していないものが多く、解約したとしても返戻金は払い込んだ額より少ない傾向にあります。
つまり終身保険や学資保険は、インフレによって必要な金額が上昇しても、保障が不十分になるリスクに対して注意が必要です。
インフレに強い生命保険商品の選び方
生命保険のなかには、インフレリスクに対応できる商品もあります。例えば変額保険は、保険料を保険会社が投資信託などで運用し、運用結果次第で保険金や解約返戻金が変動する商品です。インフレに伴って掛金よりも高額な保険金を手に入れられる可能性も増え、インフレリスクに備えられます。
ただし、選ぶ運用商品によってはハイリスク・ハイリターンな生命保険にもなり得ます。デフレになったり、運用がうまくいかなかったりすると、元本割れのリスクもあります。どの生命保険にもメリット・デメリットはありますので、よく検討して選んでください。
終身保険や学資保険はインフレに弱い! リスクに対策できる保険選びを心がけよう
終身保険や学資保険は、将来起こりうるライフイベントに備えるための生命保険です。しかし、インフレによって将来の保障が不足する可能性があることから、インフレに弱い傾向があるといえます。保障金額が、将来的な物価上昇に対応できない可能性があるからです。
対策として、変額保険などインフレに強い生命保険商品を選ぶことで、インフレリスクを低減できます。ただし、逆にデフレには弱かったり、元本割れリスクがあったりなど別のリスクがある点には注意しましょう。
生命保険は、どの商品にも何らかのメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴をよく比較し、自分や家族にとって最適な商品を選びましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部