更新日: 2019.01.10 損害保険

皆さん、ご存じですか? 火災保険のカバーする範囲 その2

皆さん、ご存じですか? 火災保険のカバーする範囲 その2
前回その1で自然災害、盗難等が火災保険でカバーされることを説明しました。
 
今回は、それ以外に火災保険でカバーされる損害について解説したいと思います。
 
浦上登

Text:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

車が家に飛び込んできた。家の修理費用はどうなるか?

車が家に飛び込んできて、家の玄関や壁を壊したらどうなるでしょうか?
 
これも火災保険でカバーされます。
その車が自動車保険に入っていればその対物賠償で補償されます。もし、その車が自賠責保険だけで通常の自動車保険に入っていない場合でも、あなたが火災保険に入っていれば自分自身がかけた火災保険により、その損害がカバーされます。
 
火災保険では、「建物外部からの物体の落下、飛来、衝突、接触、倒壊」が補償の対象となるのです。
 
飛行機が落ちて家を壊しても補償を受けられます。そんな大事故でなくとも、ボールや小石が飛び込んできて窓ガラスを壊したり、壁を傷つけたりしても、火災保険があれば損害はカバーされることになります。
 

水道管が破裂して床が水浸しになった

火災保険では「給排水設備破損による水濡れ事故」は補償の範囲です。
 
例えば洗面所の水道管が破損して床が水浸しになった、家財が水濡れでダメになった、洗面所のクロスを張り替える必要がでた、などの場合でも火災保険が適用されます。
 
クロスの張り替えというのは、水濡れしていない天井に近い部分も取り換えるため、思いの外お金がかかるもので、20万円を超える場合も多いのです。ただし、この場合あくまで「給排水設備破損による水濡れ事故」による損害なので、破損した水道管の修理費用や交換費用は保険でカバーされません。注意してください。
 
また、マンションなどで上の階の住人が蛇口を閉め忘れ、自分の部屋が水浸しになったものの賠償に応じてもらえない場合の損害もカバーされます。
 

地震の被害はカバーされるか?

地震の被害をカバーするには、地震保険に加入する必要があります。地震による被害のみならず、噴火および地震・噴火によって生じた津波による被害がカバーされます。
 
ただし、地震保険は以下に述べるように資金的バックグラウンドが通常の火災保険と異なるため、火災保険の一部ではなく、別途、地震保険として加入する必要があります。(ただし、地震保険は単独では加入できず、火災保険に加入していないとかけることができません。)
 
地震保険の特徴は次の通りです。
 

1. 地震によるリスクは非常に大きく、民間の保険会社だけでのそのリスクをカバーすることは不可能。したがって、民間の保険会社から政府に再保険をすることにより資金的に成り立っている。
 
2. 今まで述べた火災保険の保険金は、実際の損害額をベースに算出されるのに対し、地震保険の保険金は損失の度合いによって地震保険の保険金額の100%、60%、30%、5%といった定額で算定される。
 
3.  地震保険は、建物や家財にかける火災保険金額の最大50%までしかかけることができない。

 
地震によって家が倒壊した場合でも、上記の特徴から最大半額しか保険でカバーされず、後の半額は自己資金を使わざるを得ません。それでも、ゼロよりはずっといいということです。
 

まとめ

今まで火災保険の補償範囲について説明してきました。
 
火災保険は決して火事保険ではなく、個人の住宅を自然災害や人為災害から守る総合財産保険なのです。
 
火災保険で補償されるリスクには、免責額、支払限度額、縮小支払い方式等が設定されていることがあり、必ずしも100%支払われるわけではありません。ただし、その条件は保険会社との契約により自らコントロールすることが可能です。
 
まずは、ご自身の火災保険の範囲と条件を確かめてみましょう。
 
Text:浦上 登(うらかみ のぼる)
CFP ファイナンシャルプランナー

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